日中友好協会の八王子支部の活動では、時々薬膳料理の講習会がある。が、これは料理をする過程が入るので、私は参加していない。食べるだけなら参加可能だが、料理をするとなると基礎ができていない自分は足手まといなので遠慮している。
今回、食べるだけの講習会の案内が来たので出かけてみた。地元では餅つき大会があったのだが、こちらの貴重な(?)講習会を優先させてもらった。
この集まりは、今年5回目だそうで、毎回漢方から見た体の役割と漢方薬の説明をしている。肝臓、心臓、脾臓、肺ときて、今回は腎臓に関するお話だった。
話をしてくれたのは、木原さんという日本に帰化した中国の方で、なんと旦那さんが二胡奏者の程農化という人だった。程さんは、残念ながら数年前に温泉で脳出血を起こして突然死したということだった。現在、息子さんが北京の音楽大学で二胡を修行中だそうで、大学院まで行ってから日本でデビューするかもしれないとのことだった。2,3年後、自分が生きていたら要チェック。
さて、料理のほうはまず最初のお皿は、根菜サラダ。冬は温野菜がいいそうで、ゴボウ、人参、長芋、さつま芋、蓮根などが角切りで温かく煮込まれたもの。ドレッシングは、醤油にマスタード、オリーブオイル、マヨネーズも少々ということだった。
次が薬膳スープ。出汁は鶏の手羽先。手羽先は骨も含むので体にいい養分が出るらしい。それにクコや白ネギなどを煮込んだ優しい味のスープ。手羽先の肉は、スプーンで骨が簡単にはずれるほど煮込んであった。
次のメインディッシュはラムの骨付き肉。西洋風に言えばラムチョップ。コチジャンで煮込んでありいい味付けになっていた。羊の肉は体を温めるのでいいとか。私の食事療法も羊はOKとしているので、やはり漢方から見ても理にかなっているということか。
順番は次が粥。黒米のおかゆということで、カップに黒っぽいものが入っているのがそれ。であるが、シェフが順番を間違えてデザートを先にひとつ出してしまったのが、私のところにきて写真が入り組んでいる。
デザートは、焼きリンゴと黒ゴマシガレット。焼きリンゴにはシナモンのパウダー。それにアイスクリームにハッカクが丸ごと添えてあった。黒ゴマシガレットとは、黒ゴマをペースト状に煉り、春巻きの皮に伸ばして塗り付けてからシガレット状に丸めたものをフライパンで揚げてあった。シェフの工夫の一品でもあり、なかなか美味しかった。
次の黒いのは、黒米のおかゆのおかわり。薬味を添えているおかげで、また一味違ったおいしさを楽しめた。
そして中国茶は、最後に武夷山の岩茶。これは岩に育つお茶の葉で、大変貴重なものらしい。もちろん体にいい。何度も淹れることができるので、何杯かいただいた。
という贅沢な薬膳料理をいただく機会があったが、食材的には自分が食事療法として日頃食べているものがほとんど。お米が、黒米すなわち古代米のところが、自分が食する玄米とは違うが、どちらも体にいい。要するに、日ごろの食生活は漢方から見ても大丈夫ということが確認できたわけだ。
今回のために先生が用意した言葉は「因時而異,因人而異」というもので、季節に応じた食べ物、人に合わせた食べ物。季節ごとの食べ物を食べ、食べる人に合わせた食材を、というような意味だそうである。