Night at the Museum

邦題は「ナイトミュージアム」。これも悪くないんだが、「Night at …」の響きが捨てがたい気がするので、そちらをタイトルに。


さて、期待に違わぬお馬鹿で楽しい映画である。単におばかなどたばただけではなく、博物館の夜警になる必然性を描く件、それをやめられぬ件なんかの説明も過不足無く入り、その部分がまた適度な休憩となっている。

んでもって、音楽が良い。ちょっと古めの楽しい音楽がふんだんに使われている。


おばかな映画が好きで、化石の恐竜に追っかけられるTrailerだけしか観てなくて、ちょっと興味がある人。そういう人は、その部分のオチだけでも観に行く価値がある!!*1

Night at the Museum (Score)
(注:サントラCDへのリンク)

それにしても、ミッキー・ルーニー。かつてはジュディ・ガーランドらと競演した子役スターだったのになあ(笑)

*1:かもしれない

「ハッピーフィート」

ペンギンが踊るミュージカルアニメ映画である。プロのタップダンサーをモーション・キャプチャーして撮影したというタップ、クイーン(「Somebody to love」!!)、エルビスなどの名曲にあふれる前半部は実に楽しい。

ところが後半に入ると、妙な展開になり、社会的なメッセージが強くなる。人によってはそのあたりをはらはらさせられると評したり、意義があると感じたりして評価するのかもしれないが、私はそのあたりをだれていて、気取っていて、感じ悪、と感じた。


だって冒頭から、皇帝ペンギンのメンフィス(歌うのは「Heartbreak hotel」だっけか。すなわちエルビス・プレスリー)とノーマ・ジーンが歌で愛を確かめるんだよ。もっとおばかに徹した映画かと思うじゃないか。ウェブで、前半はインド映画のようだというのを見かけたが*1、まさにそんな感じ…なるほど。好みも分かれるわけだ(苦笑)


それでもあえて言えば、本流の「醜いアヒルの仔」構造で描ききればよいものを、下手に社会派を気取るんで、「テーマ」が若干発散しちゃったようにも思うのだよなあ。



ちなみにペンギンマニア好きとしては若干の違和感も。

たとえば、映画ではメスが先頭を歩き、求愛するオスがぞろぞろついていくという形になっていたが、実際はエンペラーペンギンの「よたよた歩き」*2はオスがメスをひきつけるための歩き方。んで、その場合ポイントは首の左右にあるオレンジ色の「パッチ」を後ろから来るメスに見せる歩き方であること*3 *4。映画では人がよちよち歩くように軽く左右に振れるだけで、そうなっていなかった。

ただ逆説的ではあるが、そういうマニアックな部分が気になってしまうくらいには、よくペンギンのことを調べて描いた映画であったように思う。

Happy Feet
(注:サントラCDへのリンク)

*1:例:超映画批評。この評は、しかし、面白い。私のような娯楽第一主義とは根本的に見ているポイントが違うだけ。私の印象は、こちらの方に近いが:映画通信シネマッシモ

*2:waddling gait

*3:同属のキングペンギンではまさしくぴったりの呼び名「広告歩き」と呼ばれているくらい。

*4:参考文献:「ウィロー教授のペンギン学特論」(amazon)これは、ペンギン「マニア」ならずともすべてのペンギン好き必読!!タイトルは固いが、内容はペンギンのペンギンによるペンギンのためのペンギン学(場所はペンギン大学、講義はすべてペングィッシュ)の講義の内容と、学生(もちろんペンギン!)たちとの交流をまとめたという形式で書かれた、非常に楽しくためになるペンギン入門書。会話文で書かれているにもかかわらず、他の専門書にもなかなか書いていないようなことがしっかり盛り込まれていたりもする、名著。ただ、残念ながら絶版のようだ。