マスタープランのヒアリング

私が勤めている会社の所在地は,浅草に近いため台東区と間違えられがちなのですが,墨田区です.
一応,繊維業を始めとする軽工業が強いと,地元の小学校では教えられるはず.しかし,これら軽工業の製造拠点は海外流出から久しく,最盛期と比べると壊滅的なのは小学生でも知っている現実.


ご近所は右を見ても左を見ても新タワーでお祭り状態.とっとと零細製造業は捨てて*1新東京タワー担いで観光で食っていくつもりなのかなーと思っていたわけですが.
そこはそれ,一応製造業もポートフォリオに組込むつもりらしい.「墨田区工業振興マスタープラン」というのを10年とか5年おきに策定していて,今年は,新5カ年の策定年度だそうで.
そういや,昨年の夏頃,アンケートが回ってきて送り返したりしたなぁ,とか.


本件に関わるワークショップも開かれていたようなのですが,全く知らなかったりして.区報にも載ってたのか.やっぱ読まなきゃダメだね区報.まあでも知っても行ってないか.この手の仕事に絡むことの重さとか大変さは,ここ数年の委員仕事で身に染みているし.


そんなふうに地元に根付いているわけでもなく寧ろ醒めた企業に,区の産業観光部からヒアリングの話が.


日刊工業新聞の記事とかが効いているっぽい.「NPOを立ち上げた産学官連携の人」「地方自治体の地域振興策として経産省が旗振っているオープンソースで食っている人」「これから市場拡大が期待されている組込ソフトウェアをやっている人」てな期待値か…まあ嘘は無いけれど,うーん.


ヒアリングの対象となるソフト屋さんが少なかったということもあるらしい.墨田区って,ソフト屋は必ずしも少なくないはずなのだけれど.


こうした施策立案と事業推進に「GISは不可欠である」と指摘するのは、東京都墨田区である。
と大手GIS屋さんに持ち上げられている区役所から徒歩1分ところには,オープンGISさんが居たりとか.戦略立案の前に潜在戦力の把握が先じゃないのとか思ったりして.
とはいっても,ソフト屋さんは地理的束縛が少なく設備投資も多くはないので,この手の行政の話に時間を割くメリットは少ないからなぁ.潜在戦力の把握とはいっても,なかなか難しいのかもしれん.



で,本日,弊社までお越し頂いきまして,聞かれた事はお答えした上で,言いたい事は言いました.現状に対して「ですよねー」的な円満意見を期待されているというわけでもないと思ったもので,結構キツいことも言ったかも.
後になってから,ああ言えば良かった,こう表現した方が前向きだった,みたいなことはあるけれど,後悔は無し.

*1:税収は上がるかもしれないけれど,バス電車移動の観光客が地元の商店に金を落とすなんて考えられないし,地価は上がるの間違いないしで,再開発萌え地区アキバの再現にしかならないのは明白だから.