Adele Bloch-Bauer 1

先月末、ちょっとしたニュースが、、、『Gustav Klimt』の代表作の一つである『Adele Bloch-Bauer 1(アデーレ・ブロッホバウアー1)』が、絵画としては史上最高額で購入され、ニューヨークのドイツ・オーストリアアートを中心に扱う『Neue Galerie』で展示されることになった。その売却価格は$135,000,000(約155億円)である。
『Neue Galerie』創設者で化粧品会社会長Ronald Lauder氏(62)によって塗り替えられた世界最高価格。これ以前は2004年にニューヨーク・サザビーズで落札された『Pablo Picasso』の『la Garcon a la pipe(パイプをもつ少年)』の$104,168,000であった。今年の5月3日に同じくサザビーズで競売にかけられた『Dora Maar au chat(ドラ・マールの肖像)』の競売中には『あわや最高価格更新か。』と思われたが、結果として$95,216,000で、サザビーズによると、史上2番目の落札額となったが、今や史上3番目である。
さてさて、早速この『クリムト』を観に行って来た。館内にはあまり人もおらず、見やすく、展示されている作品はクリムトを始めエゴン・シーレなどからデザインに至るまで。そしてドイツ表現主義絵画と充実している。しかし規模はそれほどでもないため、疲れることなく見れた。2階中央の展示室には『Adele Bloch-Bauer 1』をはじめ『Adele Bloch-Bauer 2』『Birch Forest』『Apple Tree』その他含め5点のクリムトが飾られている。その中でもやはり『Adele Bloch-Bauer 1』は輝いている。今まで初期の風景画や肖像画を良しと思っていたが、改めることとなった。そして、これら5点は『Ferdinand and Adele Bloch-Bauer』のコレクションで、なかでも『Adele Bloch-Bauer 1』はナチの略奪名画としても知られていた。