2012-02-10 インフルエンザ警報
■[嗜好][本]可愛いよ、林檎
まだまだ咳が治まらないので、今日の会議もお休みさせてもらうことにした。今週末はじっと寓居で静養する。来週は年度末で契約の切れる顧客たちとの京都旅行があるし、大阪に戻れば、受験生が家にはいる。早く治さないとな。
ただ咳き込む以外の症状はなく、体はいたって元気なので、腹はそれなりに減る。夜、服を着込んで暖かくして、経堂まで散歩がてらでかけた。アイバンラーメン*1で食事をすませ、三省堂書店に立ち寄って、「Casa BRUTUS」、「文藝春秋」3月号、佐々木譲『廃墟に乞う』(文春文庫)、誉田哲也『武士道エイティーン』(同)を購う。
スティーブ・ジョブズが亡くなった直後に、雨後の竹の子もここまでは生えないだろというくらいの勢いで、ジョブズ本やアップル関連書籍が刊行されていて、さすがの林檎経入信者の私ですら辟易するほどだった。特に自分がいかにアップルと関係しているかをアピールするような「ちょっと業界寄り一般人の懐古的自慢話」を集めたものなど、いったいどんな需要があるのだと腹立たしく思った。すみません、非寛容な質で。閑話休題。
アップルのデザインに焦点を当てた「Casa BRUTUS」は、「なぜアップルを使いたくなるのか」という、極めて主観的な問題をクローズアップする。好きなものは好きだと言う、このシンプルな潔さがよい。ジョナサン・アイブのインタビューもよいし(ちょっと短いけど)、懐かしいフロッグデザインのデザイナーも出てくる。製品については、パッケージのデザインまで解説しているところがよい、よい。アップルのパッケージを開ける瞬間は、確かに儀式だもんなぁ。
などというようなことを、咳き込みながら思ったのだった。芥川賞受賞作がふたつ掲載されている「文藝春秋」の今月号はお買い得だ。選評がいつもおもしろいのよね。選者の人柄がよくわかるから。
2012-02-09 寒くて
2012-02-08 咳をひとつ
■[美術]草間の水玉に酔う
国立国際美術館(大阪・中之島)で開催中の「草間彌生 永遠の永遠の永遠」を見てきた。御年80を越える草間であるが、これまでの活動を回顧するものではなく、2009年以降の新しいシリーズ「わが永遠の魂」をメインに据える意欲的な展覧会である。これに2004年から制作を続けているモノクロの「愛はとこしえ」の連作が合わされ、およそ00年代に制作された作品群が次々に迫り来る。
草間といえば、ミニマルな水玉の果てしない繰り返しのリズムが印象的である。新作群でも独特のリズム感は健在で、ますますその勢いが増しているものとなっている。そこにこれもおなじみのモチーフである横顔や目玉、波線、網目が配され、草間以外にはあり得ない文様が構築されている。
そうした特徴的な描画は、草間の幻視幻聴体験から来ていることはよく知られているけれど、老いてなお盛んな創作活動において、忌避するどころか、それこそが私自身であるとばかりに、徹底的に描き込まれているのである。大量の水玉の作品はもちろん部屋全体が水玉に覆われたインスタレーションなどに、鑑賞者は完全に翻弄され虜にされる。水玉に酔う。
若い人がたいへん多い。月並みな言い方になるが、草間の心の声に敏感に反応するのは、美術(あるいは権威)に対して先入観や固定観念を持たない世代であるということだろう。今、見ておくべき展覧会であると思う。大阪の次は埼玉、松本、新潟と巡回する。
Wind Calm
2012/02/10 22:37
いいなあ・・・ こういうのが鑑賞できる素質があって。家人に誘われて仕方なく森山大道展とか榎忠展とか見にいきましたが、やっぱり私にはダメでした。草間彌生も誘われそうでしたが回避しました(ヤツは行くのかな?)。美術や権威に先入観や固定観念はないつもりなのですが、それ以前に感性とかセンスとかいったものが欠けているようです・・・
2012-02-07 暖かい
■[映画]DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る
ミリオン連発で年間のCDチャートの上位を独占し総売上枚数で新記録を樹立、ライブや催事を開けばチケットはたちまちプラチナ化する、派生ユニットもどんどん売れる、テレビやラジオで彼女たちの姿や声に接しない日はない、そして年末に業界最大の音楽賞を受賞するという、AKB48の2011年の活動をまとめた映画である。
映画の柱は震災の支援活動、西武ドーム公演、チーム4結成である。ただし「彼女たちの物語」の前提となる部分(たとえばメンバーの立場や関係性)の説明がないため、熱心にグループを追いかけている人以外には核心はほとんど伝わらない内容である。もっともこの映画をファン以外が見に行くとも思えないので、制作側はそれでよしとしているのだろう。
前年に公開された第1弾に比べると、重く暗い。それは制作側の視点の問題であり、2011年という年がそうであったからということではない。岩井俊二の関わった前作が「いかに少女を少女らしく捉えるか*1」という一点から作られていたのとは、まるで異なっている。今作はどこまでも華やかさの裏側にあるグループの事情を世に知らしめるというスタンスで作られたとおぼしい。ために映画ならではの祝祭的空気感に乏しく、「暴露ありき」のワイドショー的なノリになってしまった。これならテレビでよくない?
AKB48の映画ということであれば、断然第1作目*2を支持する。いささか抽象的な物言いになるけれど、優れて個を描こうとするものは、必然的に普遍にまで至りつくのである。横浜ブルク13で鑑賞。
- 第2作公式サイト http://www.2011-akb48.jp/index.html
- 第1作公式サイト http://www.2010-akb48.jp/index.html
2012-02-04 立春
■[映画]ヒミズ
どこまでもテンションの高いまま物語が進行する。常に何かしらの緊張感が漂い、やがて息苦しいほどの感情の塊となって、胸につかえる。「普通」に生きることを望む2人の中学生が、いやも応もなく大きな力に巻き込まれていく。「普通」に生きることのなんと難しいことか。そこにあるものは、まったく「普通」ではない。園子温監督は「冷たい熱帯魚」「恋の罪」などと地続きの現実を、中学生の「普通」ではない生活の中に見ているとおぼしい。
東日本大震災を経て、脚本を書き換えたという。私たちは終わりなき非日常が日常(=普通)になってしまうアイロニーから逃れる術を持たない。絶望の世界から救い出してくれるのは一丁の拳銃か、剥き出しの感情のぶつかり合いか。それはすなわち死と生の鬩ぎ合いの構図である。繰り返し流れるモーツァルトの「レクイエム」が重苦しい物語にさらに陰鬱な表情を与えている。しかし、奏でられる宗教曲の彼方には必ず「救い」がある。映画の結末部分はそのことを強く示唆していると信じたい。
見終えた後しばらく、心の中がザラザラする。主演の二人のうち、二階堂ふみに時めいたのは、お約束の反応ですみません。横浜ブルク13で鑑賞。
2012-02-02 昨日は春で今日はまた冬
2012-01-31 ずっと寒い
2012-01-29 強風極寒
■[音楽]さっしーかしゆかを一日で
今日のために、期限のある仕事は何が何でも終わらせておこうと、正月に誓った。結局、前日に仕上げたので、ぎりぎりという不細工なことになってしまったが、それでも肩の荷を降ろしたことには違いない。指原さんと樫野さんを一日で楽しめるなんて、まずない*1。心置きなく堪能してきた。
水道橋のTOKYO DOME CITY HALLは2009年のリンドバーグのライブで訪れている。当時とは名前が変わっている。文字通り寒風吹きすさぶ中、行列の人となり、体が冷え切ったところでようやくホールに入ることができた。耐えた甲斐あって(?)、割り当てられた座席は2階真正面である。指原さんご自慢の美脚もご尊顔もよく拝すことができるだろう。写真撮影も録音も自由のイベントではあるが、なんだかめんどくさかったので、ひたすら自分の目と耳で楽しむことにした。
歌はもちろん4人のゆるだらな掛け合いトークも楽しかった。今をときめくトップアイドルたちの鷹揚さを感じた*2。終演後は、お気に入りのメンバーから手渡しで記念グッズがプレゼントされる。顔写真が刷り込まれたチョコレートだった。指原さんと言葉も交わせてのぼせ上がった。いい歳して。
いつまでも余韻に浸ってにやけていたいところであるが、テクノポップ3人組公演の開演時間まで余裕がないので、大急ぎで埼玉方面へ移動する。
さいたまスーパーアリーナは1ヶ月前のももクロちゃんのクリスマスライブで来たばかりである。もっとも、あの時はアリーナモード(たぶん1万人収容)であった。それが今日はスタジアムモード(たぶん3万人収容、そして2日連続)になっている。動員力の差というか、アイドルとしての格の差を見せつけられる思いがした。ということなので、ステージがとても遠い。3人が現れても、豆粒ほどにしか見えない。いや、だからこそ、そこに己のすべての感覚を集中して、彼女たちの世界に没入することができた。アイドルのライブには欠かせない光り物をいっさい禁止したのは、彼女たちなりの「脱アイドル宣言」であったのかもしれない。そしてサイリウムの海の欠落を補ってあまりある光の演出があった。
一番強く感じたのは、東京ドームを制覇し、さいたまスーパーアリーナ級の巨大な会場で当たり前のようにライブをすることになっても、3人のスタイルは何も変わっていないということである。もちろんいい意味での手慣れた感は出てきているけれど、3人だけでやりきってやろうという気迫は、今の地位を得てなお強くなっているように見える。すばらしい。
前回の直角二等辺三角形ツアーは、ベースになったサードアルバムが今一つだったこともあって、傑作「GAME」の楽曲のよいところを薄めてしまったという印象が否めなかった(悪くはなかったけど)。ところが、今回はどうだろう、昨秋リリースされた「JPN」の出来のよさがそのままライブ全体の質の高さを保証している。これなら古い曲にしがみつかなくても大丈夫だと思った。コールのために残しているとおぼしき「ジェニーはご機嫌ななめ」だけはいい加減はずしてもらいたいが、それ以外は収まるべきところにきちんと収まっている。中でも「スパイス」と「FAKE IT」が特によかった。「FAKE IT」はとてもライブ映えがして、同じ系統の「edge」の後釜としてライブの定番になるね。
次は3月に大阪城ホールで彼女たちに再会する。あと、5月に武道館4日間の追加公演が発表されていた。それも行きたいなぁ。取れるかなぁ。
セットリストは折り込みます。ダイレクトに飛んできた方、いきなり見えるので注意!!
2012-01-28 冬っぽい晴
■[日記]きょうのできごと
- 寒い。青空が目に染みるほどで、掛け布団を干すことにした。
- マンション全体の消防施設点検で業者が訪ねてくる。そのために「土曜日にはありえない時間」に起きたのだった。異常なし。
- 前夜に仕上げた締切のある文章を最終チェックする。いくつか手直しし、総元締めにメールで送信する。やれやれ。これで今月の山は越えました。
- 四十八人衆の正規メンバー2人が規律違反で解雇になっていた*1。吃驚する。
- 横浜を目指すことにした。週末だけれど、東急東横線はそれほど混んでいなかった。寒いから?
- みなとみらいにある横浜美術館で「松井冬子展*2」を観る。ここの美術館は初めてである。周辺の雰囲気は、かつての神戸ポートアイランドのような感じである。なんか懐かしい。
- 「松井冬子展」は盛況だった。禍々しい絵に魅入られた人の何と多いことよ。どうしても実見したかった「この疾患を治癒させるために破壊する」に打ちのめされた。
- 桜木町に移動し、真新しい大型ショッピングセンターで映画を観ることにする。
- まずは園子温監督の「ヒミズ*3」。痛い。二階堂ふみの佇まいがいいなぁ。
- 続けて「DOCUMENTARY OF AKB48 Show must go on*4」を観る。細かな説明がないので、一見さんお断りな感じがする。どこまでも彼女たちのファンのための映画だろう。それでいいと思う。
- 23時頃に帰宅する。出かける前に取り込み忘れた掛け布団は、芯まで冷え切っていた……。

