地デジを気軽に「あとで見る」。録画予約からPSP連携まで簡単＆高速『Torne(トルネ)』

■SCE■PS3■2010年３月18日発売■地上デジタルレコーダーキット■9,980円(税込)■★★★★★
地上デジタルチューナーとアプリケーションのセット。チューナーをつないでアプリケーションをインストールすれば、PS3が地上デジタルレコーダーになる。インターフェースはまるでゲームソフトのように使いやすく高速。全国のユーザーの視聴データを集計した「トルミル情報」やPSPとの連携などの付加機能も充実している。

近所のおもちゃ屋で『トルネ』を買ってきた。開店直後に行ったのに、すでに在庫分が売り切れていて、展示現品がどうにか買えた。入荷数はかなり少なかったらしい。でも店には『トルネ』のパンフレットが山積みになってた。

パッケージもチューナーもとてもシンプル

パッケージ。「箱を捨てると保証が受けられなくなります」とのこと。

内容物。B-CASカードはminiじゃない方。

アンテナはINとOUTがあって安心した。

USBは前面。端子は全部でこれら3つのみ。

インストールから録画までいっさい迷わず簡単

ファームウェアをアップデートして付属のソフトをインストールすると、新しく「テレビ」というカテゴリが。

ウィザード形式でチャンネルスキャンや各種設定。

超高速＆超見やすい番組表。Lスティックの上下で日付を切り替え、R1／L1ボタンで画面ズーム。ここから簡単に予約可能。番組表は日付ごとに別画面に切り替わらず、縦につながった長〜い番組表がひとつ用意されている、という感じ。

視聴画面でメニュー表示。ここで録画を開始することも可能。

一定間隔のサムネイル付きスキップ再生。使いやすい。

録画中に追いかけ再生をしようとしたら「再生エラー」。

全国の番組別録画予約人数ランキング。人気番組が一目でわかる。もちろんここから直接予約できる。

録画予約してPS3の電源を切ったあと、予約録画が始まった時の画面。勝手に電源が入り、録画が終わったら勝手に切れるようになっている。

PSPへの書き出しは実時間の1/2程度、簡単かつ高画質

146秒の録画をPSPに書き出す時間は70秒弱で、カタログに書いてあった「約1/3〜1/2程度」の通りだった。書き出し速度は遅くなるものの、別の番組を録画中でもPSPへの書き出しは一応できる。
[追記:2010/3/20] 録画番組一覧の画面で、□ボタンで番組にチェックを入れてから書き出しを行うと、複数の番組をまとめてエンコードできる！　これは便利ですな。

PSP書き出し画面。PSPをUSBケーブルでつないで画面の指示に従うだけで簡単に書き出せる。

ビットレートは512kbps／1Mbpsの2つ。

転送後は普通の動画と同様に見られる。画質はとてもキレイ。

転送した動画の情報。解像度は480x270ピクセル、ビデオはAVC、音声はAAC 128kbps。

超高速＆わかりやすい！　でも今後のバージョンアップに期待

最後にちょっとだけ要望。

追いかけ再生を可能にしてほしい。
PS3の内蔵ハードディスクの容量でMPEG2はきつい。コーデックをMPEG2とAVCから選べるようにしてほしい。
予約録画時に、PSPへの書き出しも自動で行えるようにしてほしい（録画終了後でもいいから）。
トルミル情報（全国のユーザーの録画／視聴状況の集計データ）をもっと面白おかしく活用してほしい。
自分自身のトルミル情報をもとに、勝手に判断して番組を録画したりしてほしい。
パソコンで番組予約できるようになったらありがたいけどムリですかね……。
コントローラーの特定のキーを押しながらPS3の電源を入れると『トルネ』が起動する、みたいな仕組みを入れてほしい（たとえば「L1とR1を押しながら電源を入れる」みたいな）。
ダビング10は本当に勘弁してほしい。PSP以外の端末・パソコンでも手軽に録画を見たい。言うだけ無駄だしSCEさんとはまったく関係ないけど一応書いときました。

この価格で、しかもバージョン1.0でこの完成度の高さはすごい。PS3は持ってるけどレコーダーがない人には朗報じゃなかろうか。光ディスクに書き出したりCMをカットしたり自分の録画ライブラリを揃えて長期保存したりといった機能にこだわらなければ、買って損はないと思う。ウェブで「あとで読む」を実現するサービスやアプリはいくつもあるけど、『トルネ』の録画予約・再生やPSPへの書き出しのやりやすさは、テレビ番組を気軽に「あとで見る」のにぴったりだ。
うちにはハードディスク録画機能付きテレビがあるけど、何をするにも反応が遅くて操作もわかりにくかった。特に番組表画面の遅さと使いにくさは尋常でなく、うちの家族はわざわざ新聞の番組表を見て確認してからテレビの番組表画面を出して予約する、という体たらくであった。
しかし『トルネ』の番組表の速さ、反応と操作性の良さ、わかりやすさは尋常ではない。これならうちの家族も新聞の番組表を見ずに予約できるようになるかもしれない。『トルネ』の核となってるのはこの強力な番組表であり、これが『トルネ』最大の武器であると言える。
この「番組表を中心にテレビを楽しむ」というスタイルから、今後のバージョンアップでどう進化していくか楽しみだ。中島聡さんが提唱されていた「おかえりなさいテレビ」のような、PS3がトルミル情報を解析してどんどん賢くなってくれるシステムになってくれたらいいなあ、と思う。今後に期待してます。