読了 米澤穂信 『インシテミル』インシテミル (文春文庫)作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/06/10メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 132回この商品を含むブログ (226件) を見る

丸善で見かけ購入。米澤穂信作品は『犬はどこだ』『ボトルネック』でも意外な
ストーリー展開で楽しませてもらったが、今回は本格的なミステリー作品。
12人が破格のアルバイト料金につられ参加した密室でのアルバイトは、殺人を
犯す仕掛けの中で過ごす一週間だったという奇抜な設定。
はじめは登場人物の名前と言動がなかなか一致せず読みにくかったが、おおむね登場する
人物がわかると後半は推理を働かせながら読み進めることができた。
やはり、結末は意外なものであったが、度肝を抜かれるほどではなかったので
12人の人物設定というスケールによって読み手が頭の整理をうまくできないままに
話が進むのはやや苦しい感じがした。クリスティーの『そして誰もいなくなった』風の
作品なのだが、登場人物を読み手がしっかりイメージさせながら読まないと十分な満足は
得られないかもしれない。読み終わってすぐでも、ストーリーを簡単に述べよ・・・という
問いに答えられないのが、ちょっとくやしい・・・