EF100mm F2.8L Macro IS USM

小物や花、虫など小さな被写体を撮影する際の必需品といえるのが、マクロレンズだ。

マクロレンズは、等倍、もしくはそれに準ずる撮影倍率を持つレンズである。
撮影倍率というのは、イメージセンサー上で被写体の何倍の像として写るかを表したもので、
被写体が5cmの時、イメージセンサー上に2.5cmの大きさで写ると0.5倍、5cmで写ると1倍(等倍)となる。

EF100mm F2.8L Macro IS USMは、等倍撮影が可能な中望遠マクロである。

長さ123mm、重さ625g、最短撮影距離0.3m、フィルター径67mm、最大撮影倍率は1倍となっている。
鏡筒はプラスチック製で、少々チープな感じ。
「Luxury」を名乗る以上もっと高級感が欲しいところだが、
プラ鏡筒による軽量化が手持ちマクロ撮影を容易にしている理由の一つでもある。

フォーカスリミッターは、マクロ域(0.3〜0.5m)・近距離〜無限遠(0.5m〜∞)・全域(0.3m〜∞)の三段階となっている。
AFは速いがレンズの駆動域が広いので、ピントを外した後のリカバリーや近景から遠景へのピント合わせにはちょっとかかる。
状況に応じてリミッターを調整するようにしたい。

フードはレンズの半分ほどの長さがある。
内側は植毛処理が施されており、高い反射防止効果が期待できる。

装着状態。
フードの先端がほぼ最短撮影距離となるので、マクロ撮影時には目安となって便利。

このレンズの最大の特徴は、角度ブレとシフトブレの両方を補正する「ハイブリッドIS」だ。
通常の手ブレ補正はカメラを軸としてレンズが動く角度ブレを補正するものだが、
ハイブリッドISはこれに加え、カメラの上下左右への動きであるシフトブレも補正する。
これにより被写界深度も浅く、わずかなブレが大きく影響するマクロ域での撮影でも手持ちによる撮影が容易に行える。

写りは開放からシャープ。ボケ味は柔らかく滑らかで、丸ボケも綺麗。
周辺減光は若干あるが歪曲はほとんど無い。

このレンズはマクロ域だけで無く全域にわたり素晴らしい光学性能であり、風景やポートレートにも最適である。
また値段も9万円程度と、他のL単と比べて比較的手頃。
キットレンズからのステップアップや、初めてのL単を考えている方は
是非この100Lマクロを使ってみて欲しい。