Ohm Sweet Ohm

ご無沙汰しておりました。一週間更新の間隔空いちゃうのはかなり久々なので、何だか自分でも凹んでおります。

この一週間、まあ激務であったが、基本的には、ところでSunset GunのLPを500円で買ったけど、確かここの姉妹は後のelレーベルでのThe Florentinesだよな、大好きだったな、どれ聴くか、とかそういうテンションで生きておりました。

そして昨日は常盤響さんの出張レコ部仙台に行って、常盤さんは勿論のこと、懐かしい友人たちに多数会って凄く楽しい時間を過ごしたりしていた。在仙のみならず在京の友人たちも多数タイミング的に仙台にいて会うことが出来て、いやいや、優に10年ぶりくらいに会う人までいて、何だか歳取ったな、とか思ったり。

そういえば最近は気心の知れた友人とロックンロールするために練習スタジオに入ったりしているのだが(とか書くと何だか『大人のロック』とか読んじゃって普通に「昔はロックが熱くてさ。今はあんまり聴いてないけど。たまにはCD屋にでも行くか」的なノリになっちゃいそうなのだが、まあそういうノリも嫌いではない、というかそういう風に早いとこ落ち着きたい、というか。しかし今日もも今日とてごっついレコードがどかどかと届いたりしてるからなあ・・・)、スタジオに行くと外やら中やらで何だか楽器持った若い男女がきゃいきゃいやっていたりして、嗚呼そういや自分そういうノリでバンドとかやっていたことなかったなあ、とか思ったり。

というか、そういう風に若いうちに抑えきれない衝動をそのままに楽器やらバンド活動やらにぶつけておけば、今頃もうちょい落ち着いた大人になったりしてられたりしたのだろうか。まあ今の若人のバンドがそういう抑えきれない衝動云々を意識したり感じたりしながらヒリヒリと表現活動に向かっているのだろうか、とかそういうことはさておき、ではあるが(←少なくともこういうめんどくさいことを書いたりしない大人になっていたのではないか、という気はする)、10代とか20代前半のうちに色々やっておくべきことでやっておかなかったことって多分私の場合凄くある。そんな感じだからこんな風に年齢を重ねてしまったのである。

いや、振り返ってみるに、10代の頃とかってそういう10代の勢いみたいなものから意識的に距離を置こうとかしていたんじゃないか、というフシが自分にはあったりするので、私が私という人間であるのならば、何度生まれ変わってもこういう感じなのだろう。で、こういうめんどくさい30代半ばの男になっていくのだろう、何度やっても。

ならば仕方がないので、これからどんどん、「勝手に仮想している失われた10代〜20代前半の衝動」を取り返すべくの生き方をしていくのだ・・・、ってまあ別に良いか、このままで。しかし不思議なのは、上記の「勝手に仮想して(以下略)」を実際にはせずに自分はどうやって生きていたのだろうか、とか考えたら、まあ、レコードとかCDだのばっかり聴いて音楽雑誌読んで、って生きてたんだな。今と変わらないじゃないか・・・。

結局どう転んでも自分は自分、とかそういうフツーのよくある自分探しの帰結に辿り着いたところでDJ Hellの「Coming Home」を聴く。International Deejay Gigoloレーベル主宰でWIREへの度重なる出演でもお馴染みの彼のミックスCDである。とは言えここに収められているネタは70年代〜80年代のジャーマン・ニューウェーヴ(とも言い切れないのだが)の曲ばかりでまとめられている。彼のジャーマン・ニューウェーヴ絡みの作品と言えばコンピ「New Deutsch」New Deutschがあったりするのだが、今回はミックス、してあるのだ。とは言え、かなりゆるーい繋ぎでまあ曲がつながっている、という程度のミックスなので原曲を生かしたミックス、と言うこともできるであろう。件のコンピ「New Deutsch」が結構ばきばきの所謂NDW(Neue Deutshe Welle)と聞いて思い浮かべそうな音のもので占められていたのに対し、今回はKraftwerkからスタート、という点からも窺えるようにちょっと毛色が違う。しかも結構ユルめの曲が収められていて、何だか聴きやすいのである。まあ、Nina Hagenの叫びが入ってきたりするから何とも言えないのだけれども。DAFにしてもEinsturzende Neubautenにしてもどこか可愛らしい(!?)と思える感じの曲が入っていたりするし。でもだからこそのトータル感は半端ないし、Hellさんのここら辺の音に対する深い愛情も感じられる、凄く良いミックスCDなのである。寡聞にしてよく知らない方々も入っているのだが、そういう出会いも楽しいわけで、更にはKlaus Nomiって美声だよねやっぱり、とか今更の再確認もできるわけでそういうことにいまだに喜びを感じる私のような人間にはうってつけの1枚。