Mi Declaracion

あの大地震、大津波から半年か。

今、震災以前の日常に近い生活が送れることに驚きと感謝を覚えると共に、震災後に色々表われてきた綻びに関しては呆れずにはいられなかったりする。もうさ、放射能に関する無駄に感情的な情報とか主張とか、放射能にまつわる人の行動に関する攻撃的なあれこれは良いからさ、一体どうしたら生き延びて行けるのかを教えてくれよ、とか言いたくなる。もう攻撃されてる側もする側もどうせ死ぬんでしょ、ほら。だったら皆で手に手を取り合ってさ、少しでも生き延びられそうな道を探ろうよ、とネット見てると思うんだな。皆死ぬこと忘れすぎだよ!

でも放射能の測定値が満足に発表されないような変な県に住まう私は、部屋の片づけを本格的に始めようと思う。は、片づけてなかったの?とか思う向きもあるだろうが、片づけられる分は片づけたのだ。でも入れ物がなくなってしまったからとりあえず置いているものがあるわけでそれがそろそろ、本気で煩わしくなってきたので色々頭使って収納を考えなければならないのだ。

レコードはなんとかなりそうである。問題はCDなのだ。1000枚収納できるキャスター付きラックが崩壊したが故に窮地に立たされている。その上記ラック買えば良いじゃん、という話なのだがどうも生産されていないらしい。まあ、地震なくても壊れかけるような、不良品としてクレームつけたら勝ちそうな棚だったからさもありなん、とは思うのだが代替え品がないという事態に陥ってしまうと、なんだかハシゴを外されたような気持ちになるものである。

で、最近めちゃくちゃ「CD棚 1000枚」とかで検索しているのだがなかなか、ねえ。600枚弱収納のキャスター付きを2つ、とかかなあ、とか考えて部屋を見渡すのだが、まあ、今の状態よりは良いか、とか思って納得しようとしている。それが一番現実的かなあ、とかここ数日悩んでいるのだが、あの日から半年を経て節目なので頼んでみようかと思う。

というか、もう聴きたいCDを発見できない、というのが激ストレスなのでもう発狂しそうだし。大体XTCのシングルコンピが聴きたいのにダブ編集盤しか発見できない、とかVanessa Paradisのアルバム聴きたいのにライヴしか発見できない、とかDif Juz聴きたいのに発見できない、とかThe Beautiful Southの「Painting It Red」は我が家のCDは果たして19曲入りだったか17曲入りだったか20曲入りだったか確認したいのに発見できない、とかもう良いのだ!

でも、色々ネットで棚見てると、上から目線で「どうですこの大容量!CD500枚収納!お部屋すっきり!」的なことが書いてあると、何だか世の中の基準のスケールの小ささに呆れそうになる、っていうかウチがおかしいのか・・・?私は気がつくと自分が普通、と信じて疑わないような人間になっていたようなのだが、この棚の発見できなさ具合に関して言えば、私がおかしいのか、それとも世の中の人々の一般的な所有枚数が少なすぎるのか、その答えは明らかに後者だと信じて疑っていない。この「HSO(日々の散歩の折りに)」をお読みの方々なら大きく頷いてくださるに違いない、と思うのだが・・・。

Vinicius Cantuaria & Bill Frisellの「Lagrimas Mexicanas」を聴く。そいやViniciusのアルバムにBillが参加してたりしてたしな、この共演もありかな、とか思ってたらViniciusさん、Bill Frisellのバンドのメンバーだった時期がある、という。いやいや、いまだに知らないことだらけだなあ、とか思うがそんな2人の共演盤である。Vinicius Cantuariaと言えばそのソフトな声とどことなく官能的な音作りのブラジル人だし、かたやBill Frisellと言えば最近のソロ作では所謂アメリカーナ的音世界の探求を究めつつある人なのであるから、間を取ってメキシコ、ということなのかな、とかぼんやり考えたりするが、このほぼ完全に2人だけで作り上げられたこの作品を前にしてはそれまで各々のキャリアとか、何人である、とかはかなりどうでも良くなってしまう。まず圧倒的なのはVinicius Cantuariaの声の存在感である。それはこれまでのソロアルバムでも嫌というくらい認識させられていたのだけれども、この実にシンプルな作品に於いては彼の柔らかながらも芯のある声が前面に出てきていてたっぷりと堪能できる。加えて実にシンプルながらも味のあるフレーズや多彩な音色でBill Frisellのギターが縦横無尽に駆け巡る様も堪能できる。こんなにシンプルに聞こえる(実際シンプルなのだが)のに、よくよく聴けば細かく細かく彼のギターが敷き詰められており、表面的なサラリとした感じとは裏腹にかなり濃密な作品である。しかもどの曲も中毒性のあるメロディの連発だからこれはちょっと危険なアルバムである。でも、本当に軽ーくも聴けてしまうのだから余計に危険、というか・・・。