間も無くアドヴェントの月です〜☆

mukku38682014-11-18


大変長らくのご無沙汰を致してしまいました。
早くも秋から冬へと 駆け足で移り替わっていくこの頃です。 本格的な寒さを迎えて雪が降る前の、そしてちょっと早めのXmasコンサートの打ち合わせや準備の時季です。
裏方である調律師は、日頃はあまり仕事中の写真を撮ることはありませんが、いつもお世話になっている 清里・萌木の村・HALL of HALLS で ピアノ演奏をされている平澤真希さんが、撮って下さいました。

オマージュ・ア・ショパン

オマージュ・ア・ショパン

東京でレコーディングをされた受賞作品となったCDです。 写真は、私が調律をしている9フィートサイズの《チッカリング》と一緒です。 このチッカリングは、NYスタインウェイも目標とした老舗ブランドで アメリカンピアノ社製・アンピコと言う ロール式の自動演奏が付いていて ガーシュインの自作自演をはじめ 多くの演奏者の再演が、楽しめる優れものです。  

HALL of HALLS には、アンティークオルゴールの他に 多くの自動演奏楽器が、有ります。 ピアノ内部に 様々な楽器を組み込んで 1台の楽器として楽しめるものです。
ピアノの発祥の地はイタリアで 主にヨーロッパを中心にグランドピアノが発達しましたが、スタインウェイ一族の様にアメリカへと渡った人々が、そこでもピアノを作り始め ヨーロッパ・アメリカなどで修業をして カナダでもピアノが作られるようになり 娘の母校には、そんな古いカナダ製のアップライトピアノが残されています。
アップライトピアノは、アメリカと イギリスで アクションの進化を急速に遂げていて 特に その昔、禁酒令が出されたアメリカでは、この様な自動演奏ピアノを ジュークボックス的に
気軽に楽しめる様に 改良が進みました。 ヨーロッパでも 進化を遂げて行きました。
酒場などに置かれたり 上流階級のサロンでも楽しまれたようですが、1曲を聴くのに 当時は、可なり高額のコインを入れなければならなかったようです。
 

その様な自動演奏ピアノ・自動再演ピアノが、色々な場所に置かれてあり 未だ半袖を着ていた頃のお話ですが、長野県上田市に近い美術館の《クレモナ》と言う自動演奏ピアノのメンテナンスをしました。 某テレビ局の《なんでも鑑定団》に出た事があるピアノだそうです。
自動演奏ピアノの中には、鍵盤を取って仕舞って ピアノの音だけが、響かせられるようなものもありますが、こちらは弾くこともできます。ですから調律をする際の苦労は少なくなるのですが、ピアノ本体の手前には、パイプオルガンやカスタネット トライアングル等が立ちはだかっていて 先ずはそれらを取り外す作業が、数多くの細かい作業と 重さに耐えながらの作業と 頑張り甲斐のあるものです。 そして木琴や大太鼓が、ピアノのフレームの上に乗っかっていると言いますか、ぶら下っている間の限られたスペースで 調律をします。 その為、通常使っているチューニングハンマーでは、チューニングピンを回すことが出来ないので 加工して使われていらっしゃる調律師もいますが、私は 可なり短く収納できる物を使います。 1本のチューニングピンが弦を張り続ける為に必要な力が、50〜100kg近くありますので テコの原理を利用して調律をしますが、チューニングハンマーが、とても短くなるので 操作もいつもとは違ってきますし 力加減が、大きくなるので 作業後は、軽い筋肉痛になりました。
ピアノの調律が終わってから 組み立て直して パイプオルガンの調律をして メンテナンスをする為には、スペースも 時間も 掛ります。 出来るだけ作られた当初のオリジナルな状態を保つために 部品の保護をしながらの脱着作業でした。
 
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之もまた少し前のお話ですが、長野県松本市での工具の研修会に参加しました。 その時に「大御所」「長老」と呼ばれる調律師の大先輩と 自作やハンドメイドで作って頂いた工具の話題になり「一つ送るよ!」と言って下さって 「おお、なるほど!!」と思う手作り工具が届きました。 愛用させて頂いている工具となりました。

工具屋さんで売られている特殊工具も 使い易いものと 使い難いものが有って 先日も専門学校時代の先輩方と会った際に「〇〇〇が使い難いけれど どこの工具が好いかな?」と話題になりました。 私たちが師事した先生方は、「工具は使い易いように加工をして 着き難ければ、作るもの」と よく言われる方々ばかりでした。
そんな先生方のお1人が亡くなられた際に「形見分け」として ご家族から同業者に 仕事で使われていたものを譲って頂きました。 「残り物に福がある!」と言いますか、残ったものは産廃業者にまとめて持って行って貰うと言う前の日の伺うと 奥様から「何でもっと早く来なかったの!! あげたかったものが、もう何も無くなって仕舞ったのよ!」とおしかりを受けましたが、私に取りましては 先生の懐かしい想い出の残るものや 既に生産中止となったものも見つけられて 車に詰めるだけ積んで帰ってきました。
 
その中の一つが、学生時代に 先生が「せっかく買って加工したら 削り過ぎちゃって使い難いんだよ…」と嘆いていた1品を見つけて その時のことをご家族にお話しすると「よくそんな場面を覚えているものだね〜!」と感心されてしまったのですが、それくらいに工具への愛着と言いますか、執着心は見事に先生方から受け継げたと自負してしまいました。
コンビネーションハンドルと言う脱着式のハンドルにはめて使うものですが、上のものは売られているままの物で 下の物が、先生が「削り過ぎちゃった…」と言われたものです。
 
アップライトピアノの特殊な位置の 特殊な形のスクリューを回す為の物です。
中央の丸い輪っか上の物の頭にはめて 回転をして アクションの働きを微調整します。

そんなことを覚えている位なので 使えなくても懐かしさが強くて頂いてきましたが、意外にも使い易くて この1本から コンビネーションハンドル様の工具を増やす切っ掛けともなりまして 1本1本が、単体の工具よりも重さはあるものの ハンドルを兼用できるので 工具鞄の中にスペースが出来て その分だけ鞄の中の工具が増えたので 結局 工具鞄は、これまで以上に重たくなって仕舞いました。
それでも 1つ1つに思い入れのある工具を持ち歩ける喜びや楽しみは、仕事で苦戦してしまう様な事が起きても 下さった方々ならば「どうするかな?」と思ってみたり 試行錯誤して作った時の事を想い出すと 意外なるヒントが見つかって その時々に一番好い方法が、思い浮かぶものです。

 
玄関先のクリスマスホーリーの実が、紅く染まりました。 ご近所のリゾートホテルの100本モミの木のイルミネーションも 電球色の温かみが、ゴージャスに感じられ ジャックラッセルのNOЁLと 観に行ってきました。
此方では、朝には車のフロントガラスが凍結したり 雪が舞い始めたので ウインドーウォッシャー液も「ー60℃耐用 塩カル除去剤入り」に入れ替えました。 間も無く スタットレスタイヤへと交換もします。

急激に寒くなってきていますので 皆さま、 お身体にお気をつけて お忙しいこの時季を楽しみながら頑張って下さい。 
いつも有難うございます。