NGO活動は本当に良い経験だったけど、「良い経験」て何だ。


とっても良い経験をしたなぁって思ったので、
じゃあそもそも「良い経験」て何だろうって考えてみたんですよ。


自分がいわゆる「ボランティア」というよりは、正確に言って単なる「良い経験」をしてきたなって思ったからです。






実は、インド生活も最後ということで会社の残りの有給休暇を使って、先週までデリーの少し南に位置するグルガオンという街に滞在して、少しだけNGO活動というものをさせていただいてきたんですよ。



行った理由は、インドの数多くある側面を1つでも多く体感するため、でした。


自分のインターン先の会社にいるインド人はみんな比較的育ちが裕福なため、そのようなインド人しか知らずにインドを去って果たして良いのか、と思ったんです。





だからこそ繰り返しますが、僕は今回の滞在で自分がいわゆる「ボランティア」をしっかりできたとは全く思っていません。
一時的にお手伝いをして、子供たちが仲良くなってくれただけです。




例えば、僕が誰にも何も言わずに1人でどこかの国の貧しい地域を訪れて、自分の生涯を捧げてそこの子供たちの世話をして、そのまま生涯を終えたとしたら…。

それこそ真の「ボランティア」な気がしますけど、
僕の場合はそんな立派なものではありませんでした。



以前のスラムの子供たちには、結局寄付しかできなかったよ。 - そうだ、インド行こう。でも書きましたが、やっぱり本気でここにいる子供たちを何とかしようと思ったら、ちょっとの期間一緒にいるだけじゃ足りないし、自分は楽しんできただけですが、そもそもこのような貧しい世帯の子供たちのための施設は、子供たちと一緒に遊ぼう!程度の生ぬるい気持ちで設立などできるものではありません。


ですから、そういった意味も含めて、僕を受け入れて温かく受け入れて下さった施設の方々、子供たちにも感謝の気持ちでいっぱいです。






具体的に行ったのは、貧しい世帯の子供たちが通う児童館のような施設でのお手伝いでした。
折り紙を教えたり、ギターを弾いて歌を歌ったり、一緒にテコンドーの授業を受けさせてもらったりしました。当然僕は正規の授業は持たせてもらえないので、その代わりにフリスビーを何枚か寄付して子供たちに教えたりもしました。




子供たちが元気で人懐っこくて、安らぎをもらったし、何より楽しかったのは言うまでもありません。




そして改めて、僕の「活動に参加してみたい」という突然の申し入れを快く受け入れて下さった、現在東北大学を休学してこの施設に住み込みでNGO活動をなさっている佐藤さんには、心より感謝申し上げます。






ここでの滞在によって、僕は2つの衝撃を受けました。

  • 時間の流れ方が、会社生活と全然違う。

当たり前なんですけど、生活リズムとか時間の使い方が全然違ってました。子供たちがガバメントスクールに行っている午前中は基本的にヒマ。活動が始まるのは彼らの学校が終わる昼の2、3時あたりからで、そこでの時間の流れがあまりにもゆっくりなので、僕はとっては少し気持ち悪いほどでした。

  • 生活水準が低い。

僕がお世話になった施設は、開発中で活気に湧くグルガオンの成長に取り残された、貧しい世帯の子供たちが遊びにやって来るところでした。
頭ではわかってたことでしたが、やはりいざ中に入ってみると、ムンバイでの自分の暮らしがどれだけ恵まれていたかを痛感せざるを得ませんでした。



自分がまだインドに来たばかりの頃、こっちでの暮らしが大変で、今までの東京での暮らしがどれだけ恵まれていたかと痛感した、あの時の気持ちを久しぶりに思い出しました。



子供たちが暮らしている家にも何件か遊びにお邪魔させてもらったのですが、みんなスラムのようなところに家族5,6人で暮らしていました。
自分が毎月もらっている給料の6分の1くらいで、家族、あるいは親がいなくて兄弟たちだけで暮らしているような家があることを実際に体感させていただきました。



ここでは昼飯も、そういった人向けの屋台で買っていたので約20ルピー程で済みました。普段ムンバイでは最低でも80〜100ルピーはかかっていることと比べても、かなり安かったです。

ちなみに味はかなりおいしいんですけど、中に砂とかが混じったりしてて、噛む度ガリガリしたりもしました。






そして今回、僕はこのような環境に身を置くことで、
幸いなことに改めて自分がこの1年してきた活動が何だったのかを考えることができました。






それは留学ではなく、NGOでもなく、企業インターンシップだったんだな、
という、これまたごく当たり前の気付きです。





僕は1年分の月〜金曜日を、朝から晩まで会社に捧げてきました。
上司の指示を守ったり、締切に合わせて仕上げたり、忙しい時には毎晩21、22時までサービス残業していた時期もありました。



自分の活動はここでのNGOとは全く異なっていたけれど、これこそが自分が大学1年分を棒に振ってまでやってきたことだし、そこから留学やNGOでは得ることのできない学びがあったということが言えるんだな、ということに気付くことができました。








「良い経験」て何だろうって考えてみました。


もちろん、生きてきた中でやってきたことが全部経験と言えるのだろうけど、あえて良し悪しをつけるなら、一時的に普段と全く別の世界に行ってみることも1つの「良い経験」だと思いました。




大学生活において、自分はもう「大学4年間サークル」、「4年間バイト」、「4年間ボランティア」とかって絶対にできないし、それぞれも全部「良い経験」なんだろうと思います。




だけど、今の自分にとっては、新しいところに飛び込んで自分の世界を広げてみるっていう、
これほど楽しいことって他にないです。




インターンシップで企業に浸かって、NGOもお手伝いさせていただいて、
こんな感じで僕にとってのインド生活はもうすぐ終わりです。



NGOはすぐ終わったけど、インターンシップには1年も使っちゃいました。



結構あり得ないくらいの時間を、投資しちゃいました。



少なくとも「良い経験」にはなるんだろうけど、この分を回収するのは大変そうだし、
これがどれだけのものになるかは未知数です笑







だからこそ、これが最終的にどんくらいの「良い経験」になるかどうかは、
これからの自分が決めていくことなんだな。


サークルもバイトも何1つ4年間続けなかったこと、
1年間インドで企業でインターンシップしてたことを、
今後の自分の努力で「良かった」ことにしていくしかないんだなって、改めて思いました。