環境社会学

英文科目名 担当 単位数 履修年度
Environmental Sociology 大塚善樹 2単位 4年(2006年度)前期
出席 試験
毎回、出席カードの配布により行う 試験期間中に行う

【感想】

担当は大塚先生。

広島経済大学助教授を経て、2003年度より現職。社会学博士(1999年、筑波大学)。

体が細い。


上野先生、土橋先生、ソーヤー先生(ハワイ大学)、川床先生(大東文化大学)の仲良し研究者グループと昔から交流がある。

アクターネットワーク論の使い手(某研究室院生談)。

武蔵工はこういったアクターネットワーク論者が非常に多いのは、こういったコミュニティにネットワークがあるからであろう。


出席は毎回、出席カードの配布により行う。15分以上の遅刻者には手渡しでは配布しない。


授業は、今期受けた中でヒューマンネットワーク論に次ぐおもしろさの授業。私の好きな社会学を話してくれた。

扱うネタは「環境」であるが、それよりも、授業でちりばめられた社会学概要の話がよかった。2年生の専門授業と考えると、社会学的な捉え方を話すのは良いと思う。


例えば、環境問題は「問題」と認識されなければ「環境問題」にはなりえない、という話。

水俣病も「問題」と認識されていなかったから患者への対応が遅れた、というアプローチはアクターネットワーク的に非常に良い例である。

問題を可視化するためにはではどうすればよいのか、という具体的な施策については言及がなかったのは残念だったが、こういった捉え方は個人的に好きでもあるし、学んでおいて損は無いことである。

大塚先生と個人的に一度話してみたいと思った。


【試験】

試験問題は


(2001年政治的決着後の新潟水俣病患者のコメントやそれに関する注がある)

1.新潟水俣病被害構造論の視点から、広がった経緯を整理しなさい。
2.新潟水俣病が発生した社会的条件を、1.を踏まえながら述べなさい。
3.本文中に「まだ未解決の問題がある」といっていますが、その理由を、内閣総理大臣(村山富一)のコメントを参考にしつつ述べなさい
4.熊本水俣病の原因物質は1859年に明らかにされましたが、その5年後に新潟水俣病が発生してしまいました。その理由を考察しなさい。


であった。(問題文の詳細はもっと長い)

課題は1回。

1.モンタナのエコシステムと社会システムは,どのような経路を通して互いに影響を及ぼしあっているのだろうか?より詳しく言い換えると,エコシステムにおける自然の美しさと環境問題との矛盾は,モンタナの社会システムにおける人口問題や貧困と富裕の分極化とどのように関わっているのだろうか?本文中の記述からその相互的な影響関係を取り出してまとめなさい.

2.上記で取り上げたエコシステムと社会システムの関係のなかで最も重要と思われる関係を一つ選び,それが両システムの間の緩衝地帯を設ける際にどのような問題をもたらすかについて考察しなさい.

3.日本でも,モンタナで起きてきた環境問題と類似した環境問題が過去および現在に存在します.類似した日本の問題を一つ選び,モンタナの事例と比較し,どのような点が類似し,またどのような点が異なっているか,異なっているとすればそれは何故なのかについて論じなさい.

であった。