喜界島でサトウキビの「バッサイ」&黒糖作り

奄美大島の東25キロ、美しい海に浮かぶ喜界島。隆起サンゴの島で、現在でも年に2ミリほど隆起を続けているそうです。平坦な島にはサトウキビ畑が広がり、「朝日」などの黒糖焼酎が生産されています。


そんな喜界島に、自由が丘・味彩の巨匠に率いられ、2月12日から13日にかけていってまいりました。目的は、キビガリ&黒糖作り、そして、朝日を浴びるほど飲むこと(笑)


朝日酒造の喜禎社長ご夫妻をはじめ、社員の方々にはお忙しいところどっぷりとお世話になり、本当にありがとうございました。どこまでもあたたかいお心遣いに感謝しながら、喜界島の風景を思い出しながら、これからも朝日を飲み続けます。


ということで、今回はサトウキビの収穫と黒糖作りのご紹介。サトウキビの収穫のことを地元では「バッサイ」というそうなのですが、喜界島のサトウキビは背丈が人の倍くらいあり、茎も太いので、まさに「バッサイ」という言葉がぴったりです。



朝日酒造さんのサトウキビ畑。農薬を使わない有機の畑です。土がふわふわ!


サトウキビにもいろいろな品種があるのですが、この畑は農林10号という品種。「早期高糖性で、耐倒伏性、脱葉性に優れた品種」とのことです(出所:http://sugar.alic.go.jp/pamphlet/satoukibi/hinsyu/hinsyu10/hinsyu-10.html)。そのほか23号、K-1といった品種を栽培されておられます。



サトウキビ収穫の道具。写真には写っていませんが、まずオノのような道具で、サトウキビの根元から伐採します。次に葉が茂った先の部分をU字型の刃がついた道具の、U字部分と柄の間の刃で切り落とします(切り落とした部分は牛のエサになります)。そして最後にU字の部分で葉を丁寧に削ぎ落として行きます。そうしてやっと杖状のサトウキビの出来上がり。



こんな感じになります。省力化のためハーベスターと呼ばれる機械で収穫する生産者も多いようですが、朝日酒造さんの畑はすべて手作業。ものすごく手間のかかる作業ですが、その分、ひとつひとつ人の目で確かめながら、良質のサトウキビのみを収穫することができます。



サトウキビ収穫にぴったりのおやつ、バッサイパン。ふわふわのパンにふわふわのクリームが入ってます。



しっかりバッサイした後の休憩は格別。サトウキビ畑を眺めながら、バッサイパンを食べながら、コーヒーを飲みながら。



収穫の夜は大宴会(笑)翌日は製糖作業です。まずこの機械で搾汁します。バリバリバリッ、すごい迫力です。



このようにサトウキビのジュースが出てきます。



灰汁を丁寧に撮りながらどんどん煮詰めて行きます。ジュースはもともと酸性なのですが、酸性のままだと凝固しないそうで、アルカリ性の食用石灰を加えて、中性にもっていきます。



どんどんどんどん煮詰めていきます。



最後にこの機械で撹拌します。



この枠にいれて固めます。これが生まれたての黒糖!見るからにおいしそうな色です。


喜界島に降り注ぐ太陽を浴び、アルカリ土壌の栄養を吸い上げてぐんぐん育つサトウキビ。社員の方々の手作業で丁寧に収穫され、黒糖に加工されます。蔵に搬入された黒糖は、島の水で仕込まれ、醸され、蒸留され、黒糖焼酎「朝日」が生まれます。「朝日」は喜界島そのもの。喜界島を伝えたい、そんな朝日酒造さんの思いが柔らかな香りのなかにぎゅっとつまっています。


今晩は朝日で乾杯。