映画Nowhere to Call Home上映会

2015年10月26日 (月) 10時30分〜京都府立大学 稲盛記念会館105教室にて
ドキュメンタリー映画 Nowhere to Call Home『我が家は何処)』(Joceylyn Ford ジャスリン・フォード監督)の上映会を行います。

故郷チベットを離れ、息子に教育を受けさせるために北京に向かった母子の物語を、彼らと出会い「もうひとりの母」としてその生活にかかわることになったアメリカ人ジャーナリストが描きます。

1時間の映画上映のあと、フォード監督の講演や交流の時間を設けます。
映画使用言語は、英語・中国語・ルマ(羌(きょう)語の一種)。
字幕は、日本語字幕・英語字幕 (日本語字幕:山口美知代)
去る10月22日に発表になった2015年のNHK日本賞特別賞(国際交流基金理事長賞)を受賞しました。詳細はこちら http://www.nhk.or.jp/jp-prize/2015/prize_winner.html をご覧ください。

また11月1日には、東京外国語大学アゴラグローバル3Fプロジェクトスペースで上映会があります。詳細はこちら http://tibetanliterature.blogspot.jp/2015/10/nowhere-to-call-home.html


◎映画概要
それは、遠い国の苦難だろうか?

チベット人には部屋を貸さないように、警察から言われているんだよ」

28歳で夫と死別し、嫁ぎ先でのひどい仕打ちに耐えかねてチベットの山村から北京の大都会に流れ着いたザンタは、露天商をしながら息子ヤンチンを学校に通わせようと努力する。しかし住まいを借りるにも、路上に店を広げるにも、警察や人々の冷たい視線に排除され続ける。

ザンタと偶然知り合った米国人記者ジャスリン(=監督)は、自分が一緒にいることで、事態が少しずつ変化を見せるのを感じる。作り手自身が映像に登場する「シネマ・ヴェリテ」の手法で、2人の希有な友情と、北京に暮らすチベット人の苦境、そしてチベットの農村になお残る女性差別を、声高な主張ではなく、豊かな日常の言葉で綴ったこの作品は、中国とチベットの今を等身大に描き出し、日本の中にも同種の問題があることを静かに想起させてくれる。

2014年のニューヨーク近代美術館での先行上映をはじめ、数多くの国際映画祭に出品されたこのドキュメンタリーは、撮影当時はチベット騒乱(2008年)の反動から、中国国内での上映はほぼ不可能と思われた。しかし2015年現在、北京大学はじめ各大学や高校など国内で多数の上映会が開催され、「わたしたちは何も知らなかった」と若い層から声が上がっている。2015年のNHK「日本賞」最終候補作品(国際交流基金理事長賞受賞)。同年秋、日本語字幕による日本国内での上映会が関東、関西で予定されている。