アミドイド抗体(NABs-A)、フェンサイクリジン、新しい受容体の概念

アルツハイマー病患者では、アミロイドに対する自己抗体(NAbs-A)が減少している。NAbs-Aはアミロイドのオリゴマー(特にダイマー)に結合しやすく、凝集を抑制することで毒性を示すアミロイドを除去している。
現在は根本的な治療薬として、バピネオズマブやソラネズマブが抗βアミロイド抗体として治験の状態にある。



フェンサイクリジン(phencyclidine、IUPAC名のphenylcyclohexylpiperidineの頭文字からPCPと略される)はNMDA型グルタミン酸受容体に対してアンタゴニストであり、統合失調症のモデルマウスを作製するのに用いられる。
俗称はエンジェルダストといい麻薬指定されている。使用者の言によると、「他の如何なる薬物の作用とも全く異なったもの」。



<受容体>
・Constitutive Activity

アゴニスト非存在下での活性化を行う受容体の存在が明らかになっており、その状態を構成的活性 (constitutive activity) といい,その活性を示す受容体を構成的活性化受容体 (constitutively active receptor) という。
例えば、受容体のうちの10分の1程度はアゴニスト非存在下でも活性を示す開放状態になっており、今後は受容体数を増やすのも治療の選択になり得るかもしれない。


・Inverse Agonism、Silent Antagonist
更に、構成的活性を抑制するものをインバースアゴニストといい、少量ではあるが、構成的活性は抑制しないがアゴニストのみを抑制するものをサイレントアゴニストという。



「β1-アドレナリン受容体の構成的活性化 と心不全
http://plaza.umin.ac.jp/JPS1927/fpj/topic/topic120-3-212.htm
「α1アドレナリン受容体の分類と α1遮断薬の最新情報」
http://yakushi.pharm.or.jp/FULL_TEXT/126_3/pdf/zo187.pdf