中国人富裕層向け観光ビザ解禁

中国人富裕層にビザ解禁
中国人富裕層を対象にした個人旅行向けの観光ビザが今月解禁され、8日、第1陣が来日した。
 成長著しい中国マネーを「観光の起爆剤に」と狙い、観光庁の本保芳明長官や、中国で人気のハローキティが空港で出迎える異例の歓待ぶりだ。
 成田空港第1、第2ターミナルにはこの日午後、北京や上海からの全日空便、日本航空便で計37人の中国人観光客が到着。観光庁幹部や全日空役員がずらりと並んで「熱烈歓迎!」の横断幕を掲げたり、ハローキティが花束を手渡したりした。日航便で着いた健康食品会社会長の范成燕さん(51)は「京都や富士山に行きたい」と期待していた。
 中国人向け観光ビザは団体や家族用に発行されてきたが、添乗員2人の付き添いが必要なことなどがネックとなり、発給は1年強で27人にとどまっていた。解禁された観光ビザは、おおむね年収25万元(約350万円)以上の人が対象で、添乗員は不要。今月1日の受け付け開始から3日間で190人が申し込んだ。
 観光庁は新ビザ効果により、今年の中国人旅行客を「昨年比14万人増」と見込む。日本百貨店協会も、中国版デビットカード銀聯カード」が使える店舗数の拡大や、中国語の商品紹介などを進める方針だ。(2009年7月8日読売新聞)

約1カ月の申請1138人
観光庁の本保芳明長官は29日の定例記者会見で、7月1日から中国人の富裕層を対象に解禁した訪日個人向け観光ビザの申請数が、同月28日までの約1カ月間で1138人だったと発表した。本保長官は「順調に伸びている」とした上で、今後は申請時に必要な提出書類の簡素化や、ビザ発給要件の一層の緩和に向けて関係省庁と調整する考えを示した。
 同庁によると、2000年に団体観光ビザを解禁した際は、4カ月での来日者数が約1000人だった。今回はビザ解禁の認知度が中国でも高く、実際に旅行した人の大半が首都圏を、1〜2割が北海道を訪れたという。失跡者はいない。(2009/07/29jiji.com)


2020年までに外国人観光客2000万人の誘致を目指しており、なかでも中国からの観光客は最も重要と認識されています。しかし、これまでは、不法滞在誘発を避けるために、個人旅行向けビザは発給していませんでした。確かに中国からの入国者不法滞在はたくさんいましたから・・
しかし、年収25万元以上という設定はどうなんでしょう?この条件の世帯数は、100万単位の世帯数ですから、わずかな世帯数でしかありません。中国都市部の平均年収は約3万元と言われていますから、平均の8〜9倍もの収入がないとビザを発給しないことになります。
観光庁はビザ発給が「順調に伸びている」のか、また、ビザ解禁に伴う弊害がないかどうかきちんと見極めて、第二段、第三弾のビザ発給要件の一層の緩和政策を実施した方が良いでしょう。