ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ242→→→パラグラフ80:戦争の狗たち・入門篇:(死亡・12)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



無数のカンテラや松明で昼のように輝くタホウの目抜き通りを行く。
天鵞絨の都市と呼ばれるだけあり、通りや敷石、そして家々の意匠すべてが統一され、赤一色に染まっていた。
建物や尖塔、屋根などは赤い漆喰を塗られ、あるいは褪せた赤い岩で組み上げられている。
並木道の左右には民家や工房がびっしり密集していた。
これもまたタホウ人の誇りなのだろう、どんな小さな家々にさえ小塔や尖塔が建てられ、針のような無数の尖閣が夜空をつくさまは圧巻だ。
一際目立つ玉葱型の円蓋を持つ塔の破風からは気怠い眼差しで街を見下ろす竜の象嵌があった。
その一角にも、カタパルトか何かを設置するらしい張り出しが急造されている。
「なあローン・ウルフ、先に腹ごしらえしてから行こう」
唐突にバネドンが通りの一角を指差した。

 
 バネドンは食堂を指して、何か食べていかないかと言う。チバンの家はここから1時間は 
歩いた先にあり、君は馬上での長旅を終えて酷く空腹を感じている。 


・食堂に入りたければ、80へ。 
・ぐうぐう鳴っている腹具合を無視して、チバンの家まで歩いていくなら、146へ。 
 


歩いて一時間とは、また大層な広さだ。流石はマグナマンド開闢以来つづく大都市といったところか。
「まあ俺は腹減らないんだけどね。ぶっちゃけカイ・マスターですから、ええ」
「そんなこと言わず喰っていこうよ、なあ」
バネドンにせっつかれ、食堂に。
……この選択が狼の運命を分かつとは、このとき、誰が想像しえただろうか。


広い食堂に一歩踏み込むと、踵に鋲を打った無数の軍靴が入り乱れて響いた。
活気ある店内の殆どはタホウ守備隊の軍人と、この戦争を目当てに訪れた歴戦の傭兵らだ。
中央にある大きな暖炉のまわりに腰をかけ、御馴染みの武辺話に明け暮れている。
俺たちの登場で一瞬、食堂は静まりかえった。
だが、値踏みする目は俺たちをただの傭兵だと判断したらしい。
すぐに視線はそらされ、雑談が始まる。
「どうぞこちらへ」
ごったがえす客の間を抜け、出てきた主人が店の角にある一段高い部屋のテーブルへと案内する。
バネドンが一掴みのルーン銀貨を手渡すと、ほろ酔い加減で頬を赤くした主人は厨房へと戻っていった。
見渡す限り、兵士の大多数は隣のストーンランド諸国からやってきた傭兵連隊だ。
俺たちと同じテーブルに座る二人もそういう輩で、あちこちに目を投げては神経質に囁きかわす。



・兵士たちと話をしたければ、292へ。
・何も喋らず、食事を待つのなら、102へ。


「わ、罠くせえ・・・プンプン匂うぜ」
思わず慨嘆。
大体、この手の傭兵連中が他所者と楽しくやる訳がないのだ。
余計なちょっかいは出さぬに限る。黙って食事を待つことに。
だが、当然ながら・・・
お世辞にも幸運とは言いがたい俺らのもとに、災いの種は勝手に飛び込んできたのだった。


通過パラグラフ:(242)→80 治癒術の効果:+1点   現在の体力点:23点

(つづく)

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