役割から考えるゲンガーの技構成
私がゲンガーを採用するときに
- 同速のゲンガー(メガ前は一応ラティオスも)に対する強さ
- ガルーラと対面したときに1:1交換ができる
この2点は外せないと考えています。
これを実現するためにはゲンガーにおいてシャドーボール・道連れは外すことのできない技であり、最速は外せないということができます。
今回は残りの2枠、また祟り目について考察します。
さて対ガルーラを考えるにあたって道連れだけでは安定した処理をすることは難しいでしょう。
対ガルーラの安定感を上げる手段としては
- 鬼火でスリップダメージを与えられるようにしてから道連れ連打する
- 道連れの合間に滅びの歌を挟む
この2つが考えられます。
すなわち上記の性能を求めたときのゲンガーの技の基本構成は
シャドーボール/道連れ/鬼火or滅びの歌/自由枠
であるということができます。(祟り目については後述)
それでは自由枠に何が入るのかを鬼火・滅びの歌のどちらを採用するかにわけて考えていきます。
鬼火を採用したとき
まず滅びの歌と比べたときの鬼火のメリットは
といった点が挙げられると思います。ただし、追い打ち持ちがラム持ちである場合には鬼火→鬼火→補正なし追い打ち→補正あり追い打ちという流れになり、鬼火の命中率・ゲンガーの耐久力を考えると安定しているとは言い難いです。
デメリットとしては
これが気になる方が多いと思います。
つまり残り一枠にはこのデメリットを解消するための技が必要となります。
そのため自由枠には挑発の優先度が高いといえます。
また、鬼火と滅びの歌の両方を採用するのもアリだといえます。
S関係を逆転されると厳しいところはありますが、滅び→道連れの展開でいけば多少なりとも起点回避となることはできます。
滅びの歌を採用したとき
滅びの歌を採用したときのデメリットとして最大のものは、
- ガルーラと対面したときの行動がほぼ道連れに限定され、そのとき追い打ち持ちに交代されてしまった場合役割を遂行できない
この点だと思います。
なのでこのデメリットを解消するための自由枠を考えていくと、
気合い玉・身代わりが考えられます。(鬼火もだが先述したため割愛)
気合い玉を採用する場合、どんなにCを振ってもD特化バンギは落とせませんが、交代しなければD特化バンギの追い打ちは半分ほどのダメージであるため、ほぼ半分の確率ではありますが勝つことができます。
これだけ見るとわざわざ採用するほどのものとはあまり思えませんが、それ以外にも本来鬼火を撃ちたいナットレイにも刺さり、かつシャドーボール→気合い玉でヒードランに強く出れる点、不意打ちがなく少し削れたガルーラとラス1同士で対面したときの決定打となる点、直前の行動に左右されない(誰との対面から引かれても対応が可能である)点などを考えると候補としてアリだと考えました。
身代わりを採用する場合はガルーラとの対面では地震を打たれても耐えられるだけのHPを残したうえでメガシンカ→身代わりを選択し、次のターンからは道連れを連打、隙を見て滅びの歌を選択という形になります。これは相手のサイクルに負担を与えないため、自分の裏はガルーラの後だしを容易に許さないポケモンである必要があるという制約はありますが、安定感では随一でしょう。
結論としてはゲンガーの技構成は
の4パターンが基本となるといえます。
以下に、祟り目や自由枠の候補と他の方が挙げそうな他の技について記述します。
ヘドロ爆弾(ヘドロウェーブ)
今回は最初に書いた2つの性能をゲンガーに求めたため、ヘドロ爆弾の技スペースがありませんでした。ですが、もし入れるならば鬼火型です。
鬼火型の技スペの内訳が
相手のゲンガーに対して不利を取らない技/ガルーラへの遂行技/対ガルーラの安定性を上げる兼追い打ち勢への対抗手段/害悪への遂行兼起点回避技
であり、最後の枠は他のメンツ次第では不要になるので、入る可能性はあります。
一方滅び型の内訳は
相手のゲンガーに対して不利を取らない技/ガルーラへの遂行技/対ガルーラの安定性を上げる兼起点回避技/追い打ち勢への対抗手段
となっているため、外せる技がなく、これら以外の目的の技は入る余地がありません。
また、そもそもゲンガーのヘドロ爆弾が活躍することは少ないという印象があります。
ニンフィアやマリルリに対する打点とはなりますが、瞑想型以外のニンフィアには耐えられたうえで返しのサイコショックで返り討ちにあい、マリルリはチョッキ以外ならば対面からは倒せますが、腹太鼓を積まれるとアクアジェットで縛られるため、以前は長い間入れていましたが、必要性が薄いと結論付けました。
また、マリルリを意識するとなるとHマリルリを確定で落とすためにはかなりCに振らざるを得なく、HSゲンガーでは更に採用しにくいと思います。
ジャローダへの遂行技としてどうしても欲しい場合のみ入る技でしょう。
祟り目
祟り目を入れた場合、HSゲンガーとの対面が苦しくなり、ラティオスと同速ゲー(こちらは個体数が少ないのでそれほど影響しない)ができなくなるというデメリットが生じます。
また、こちらのゲンガーをHS軸にした場合はCSゲンガーすら中乱数になります。
流石にCSゲンガーすら中乱数というのは処理ルートと考えるにはきつすぎるため、祟り目を入れるならば
- 相手のゲンガーは他で処理するポケモンを必ず同時選出する制約を背負ってHS軸
- 相手のゲンガーがHSだった場合と耐久を捨ててCS軸
のどちらかの運用を選択する必要があります。
ですので、自身でも状態異常技を使いつつガルーラ性能も保つということを考えるならば先述した基本構成のうちの上2つということになり、
- 祟り目/道連れ/鬼火/挑発
- 祟り目/道連れ/鬼火/滅びの歌
が祟り目を入れた場合の技構成であるといえます。
努力値の振り方と祟り目・シャドーボールの採用から相性を考えると、
- CSシャドーボール
- 先手取ったらすべてのゲンガーに勝てる
- 後手だったらHS祟り目には中〜高乱数で耐えて返しのシャドーボールで勝てるがそれ以外には落とされる
- つまりすべてのゲンガーに対して不利を取らず、HS祟り目には特に強い
- HSシャドーボール
- CS祟り目
- HS祟り目
催眠術
アドターンの期待値
2/5*(-1)+0*1/5+1*1/5+2*1/5=1/5
自分のアドとなる確率
3/5*2/3=2/5
であり、催眠術を使った場合、長期的に見た場合0.25ターンのアドが得られますが、アドを得る確率は40%です。
これを「長期的に考えるとアドを得られる」と考えるか、「アド得られない確率の方が高い」と考えるかは人によると思います。
私は後者であり、さらにこのために技スペを一つ使うというのももったいなく、後述するような命中不安の催眠技を使うための条件をゲンガーが満たしていないので催眠術は使いません。
催眠系の技は基本的には3ターン以上眠ってくれないとこちらのアドにはならないのですが「行動ターンをずらす」ことによって2ターンの眠りでもアドを得ることができます。
これは交代際に眠らせたり後攻で眠らせたりすることで生じるアドです。
どういうことかというと、価値の低い1ターンを犠牲にして本来無償降臨できなかったはずのポケモンを無償降臨させることでより価値の高い1ターンを得るということです。
これはフシギバナで顕著になりますね。
フシギバナとバンギラスでサイクルを行おうとしたときに相手にゲンガーがいたとします。
気合い玉や鬼火を考えるとバンギラスでは安定感が足りないと考えたときにフシギバナに眠り粉を採用すると、交代際に眠らせたらほぼ確実にバンギラスの役割を遂行でき、外れたときでもまだワンチャンあるという状態になります。
ここで重要なのはフシギバナは
- 役割対象からの確定数に余裕がある(回復ソースもある)
- 被役割対象へ眠り粉を外しても裏が一方的に不利でない確率次第で役割を遂行できる
- 被役割対象に対するこちらの裏(バンギラス)が1ターン得ることで役割を確実に遂行できる
という3つの条件を兼ね備えているということです。
つまり、フシギバナの1ターンと技スペ1つを犠牲にしてバンギラスの1ターンにずらすことでアドを得られ、そこでアドを得なくても代替手段があるということですね。
ですのでゲンガーで催眠術を採用する場合もこれらの点に注意する必要があります。ですが、催眠術と眠り粉の命中率の違いもありますし、ゲンガーは耐久が低く、自身が追い打ちで狩られる対象であり、なかでもバンギラスはラムの実を持っていることも多いため、1つ目と2つ目の条件がどうしても足を引っ張ります。また、ゲンガー自身の役割の遂行や起点回避を考えると技スペを犠牲にできないという点も無視できません。
以上の理由からシングルバトルにおいてゲンガーの催眠術はあまりメリットがないと考えています。
凍える風・目覚めるパワー氷
氷4倍のドラゴンやグライオンに対する打点。
ヘドロ爆弾と同様にこれを入れる余裕があるのは鬼火型のみだと考えます。
凍える風に関してはS操作技でもあります。
どのようなPTのときに採用する技なのかを理解していないため言及は避けます。