茶 いほり

2日目の美術館巡りの途中に立ち寄った山道のお茶屋さん。

佛山寺から金鱗湖天祖神社へと続く山道の中頃にあり、「すすり茶」というちょっと変わったお茶の楽しみ方を紹介した看板が出ています。

中にはいると、メニューは二種類のみ。それも基本はお茶と和菓子か「やせうま」というきな粉をまぶして食べるお餅のような団子とお茶のセットで、お茶の葉によって¥1000コースと¥800コースに分かれているだけです。やっぱり高い方が良い葉なんでしょうね。迷わず¥1000コースを頼みました。

茶碗や急須、皿などの器は全て柄の統一された伊万里の特注品だそうで、6つくらいの種類ある柄から好きなものを楽しめます。綺麗に揃った器は観てるだけでもなかなかかっこいいです。

さて、お茶は茶碗にたっぷり入った上等なお茶の葉に、20cc程度ずつのお湯を注いで、茶碗の蓋をずらしながら
すするように楽しみます。
一杯目は意外にも甘い口当たりと驚くほど豊かな香りに圧倒されます。
二杯目は強いカテキンの苦みが出てきます。
三杯目は落ち着いた苦みとほのかな旨味ので、これでやっと普通のお茶の風味に近くなりました。
四杯目は熱いお湯(90℃)を出してくれて、これであっさり頂きます。

さて、変わっているのはここからで、四杯分だしたお茶葉にポン酢をかけて食べます。
最初はちょっとどうかなと思ってたのですが、思い切って食べてみるとこれが意外に美味しいんです。癖になりそう。

ここには滞在中にもう一度行きたいと思っていたのですが、天候に祟られて残念ながら再訪出来ませんでした。

これはおすすめです。

空想の森・アルテジオ

3日目には人通りの多いお土産街から離れて少し山の上に。

山荘・無量塔の付近にはセンスのいいスポットが集中しています。
後で知ったことですが、空想の森・アルテジオは山荘・無量塔と経営者が同じでした。

湯布院には美術館の類が非常に多くありますが、空想の森・アルテジオはその中でも現代的でずば抜けてセンスのいいところです。
展示品はモダンアートというんでしょうか、遊び心があって肩がこらず楽しめるようなものです。
またライブラリーには美術・デザイン関連の書籍が所蔵されていて自由に閲覧できます。

ライブラリの反対側のフロアではコーヒーや「B Speak」で売られている(でも毎日すごい行列で予約しないと買えない)Pロールやコーヒー、紅茶を頂くことが出来ます。
このフロアから館内を見渡すことが出来るのですが、展示品もさることながら、アルテジオは建築としても素晴らしいと思います。

亀の井別荘

最終日・四泊目の宿は湯布院を代表する名旅館・亀の井別荘に一泊しました。

TVの「名温泉宿ベスト100」というような番組でも必ず上位にランクインするという日本全国でも有数の名宿です。

それまで泊まった2つの旅館には申し訳ないですが、まさに別格です。これが高級旅館の実力かと思い知りました。

まず部屋が素晴らしい。
わたしの泊まったのはこの春改築したばかりの和室の離れでしたが、建具などは古い味わいのあるものに見えました。トイレや水回り、床暖房など部屋の施設自体は新しいのですが、椅子、サイドテーブル、鏡台、黒電話などインテリアはどれも
アンティークで雰囲気の良いものばかりです。

そして部屋からの眺めがまた最高。広い邸内には自然木の緑が豊富で、わたしの泊まった部屋からは目の前に池も眺めることが出来ました。この景色だけでも大満足です。

さらに全ての部屋には檜の内風呂つき。むろん温泉で豊富な湯量を贅沢にいっぱいに満たした湯船から庭を眺めることも出来ます。もっとも他の離れへの通り道も見えるので逆に外からも見えるということですが……。もちろん窓には目隠しのスクリーンを引く事もできます。

だめ押しはサービスの良さです。和室なので仲居さん(部屋係と言うらしい)が入りますが、「なるほど、これがサービスというものか」と思い知らされます。あまりにも品が良すぎてこっちが申し訳なくなるくらいです。敢えていえばそれが唯一気を使ったところかも。

食事も最初の旅館に比べて特にどこが美味しい、というわけではないのですが、あっさりとしていながら味わい深い、食べてて疲れない美味しさです。

とにかくこれまでで最高の宿でした。文句のつけようもありません。