本日の読書 川端裕人『桜川ピクニック』
- 作者: 川端裕人
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
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世代的には「子供が小さいうちは母親は家に居て、子育てに専念するもの」「出来ることなら、子育てと仕事を両立させたい」のちょうど狭間。どちらも非常に良く判るけれど我が家的には前者なので、子供を産んでも仕事を辞めろと迫らないばかりか、なんとか両立できるよう苦心してくれる理解あるお父さんがスゴイと、まずは感心しちゃう。最近、そういうお父さんが増えてるんでしょうか?保育所繋がりのお父さんの連作集ゆえ、そんな旧式のお父さんが登場しないのは残念だけど、子育て論議する様子など、見てみたいなあと思ったり。
収録作品中印象強く残ったのは「うんてんしんとだっこひめ」に「おしり関係」かなあ。もし長男と次男の年が近くて、しかも次男が女の子だったら、こんなやり取りが我が家にもあったのかと、胸が温かくなった。割り切ってるようで、やっぱり鬱屈がたまるのねえ。ちょっくらほっとした「夜明け前」も好き。逆に後味の悪さでインパクト強かったのが、冒頭の「青のウルトラマン」。そうそう不思議なことに、どんなに酷い目に合わされても、子供はお母さんを庇うんだよね。その後のこの親子がとても気になって気になって…後を引いた。
お父さんだからこそ、見えるものがある。どのエピソードにも、作家川端さんからのメッセージがしっかり込められているから私が読むより、ダンナにこそ、読んで欲しい本かもしれない(笑)。
自分の子供なんだもん。「今のうち」だからこそ、しっかり子供に向かい合い、親子の信頼関係を結んでおかなければ。後になって後悔しても、遅いのだ。