ごみだまろぐ

甲虫屋のネガティブ日記

私,チョウ屋になります!

この時期の大分県は,カミキリ屋初心者の私としては垂涎の種が目白押しとなる.

ガリバホソコバネカミキリ,九州では大珍品のソリダ(オオホソコバネカミキリ),フタコブルリハナカミキリ,シコクヒメコブハナカミキリ,クリイロシラホシカミキリ等.

それと同様に,チョウも素晴らしい種がたくさん出てくるらしい.


今回は,ゾウムシ屋のカオカクシゾウ(ただし今回はカミキリ採集が主らしい),チョウ屋のほったの2人の後輩を連れて,大分県K岳に行くことにした.




夕方ごろ大分に着いた.まずはハヤシミドリシジミのポイントへ.そう,今回はチョウ屋の後輩のために来ているのです.

ただし天気はあいにくの雨.


この天気だとハヤシミドリシジミはあまり飛ばないらしく,ではどうやって採るのかというと,カシワの枝をバンバン叩いて驚いて飛び上がったものをネットインするらしい.へー.


叩くほったくん.


すると,飛んだ!はえええ……

飛び上がったちょうちょは,草原の上まで飛行するとなぜか墜落した.

ハヤシミドリシジミFavonius ultramarinusゲット.よい.


結構個体数は多いようで,叩いたらそこそこの確率で出てくるようだ.そしてみんな草原の上まで来ると墜落する.おもしろい.


採集がひと段落ついたあたりで,K岳へ.ちょこっと歩くが何も採れず.よさげなところでライトを張った.







……んが,ビックリするくらい虫は飛んでこなかった.


まあライトに虫は来ないのは想定の範囲内なので(ぼくがK岳でライトをしてもだいたい何も来ない),次は夜見回りへ.


開始早々オオキノコムシEncaustes praenobilisが.


これは何か出ているかもしれないぞとドンドン入っていくが,びっくりするくらい虫がいない.

ツヤヒサゴすらろくにおらず,閉口した.

シュレーゲルがいた.


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翌日.

天気はよさげ.


今日はクリの花を掬ってカミキリを採りまくるぞ,とクリポイントへ.クリの花には,九州では割と珍品のフタコブルリハナカミキリが来る.

先客が1名いた.知っている人だった.話を聞くと,今回はあんまり虫は出ていないらしい…….


葉っぱの上にハンノオオルリカミキリEutetrapha chrysochioris chrysargyrea Bates,1884がいた.


日も登ってきたところで,クリの花を掬う.


……あんまり虫が入らん.キヌツヤハナとなんちゃらホソハナとカラカネハナくらいか.


あーあ.採れねー.

ほったくんのお土産に,そのへんを飛んでたちょうちょ(何の種だかわからなかったが)を採っておいた.


正午近くになると,クリの花には見切りをつけてトガリバ探しをすることに.トガリバなんかいっぱいいるよ,と他の虫屋は口をそろえて言うが果たして……?


1本1本立ち枯れを舐めるようにみていくが,いない.

なんだこれ.やっぱ初心者にネキダリスは早いってか.


肩を落としてクリポイントに戻ると,ほったくんがいた.彼に,先ほど採ったちょうちょをあげると,

「あー,ありがとうございまs……えっ!?!?マジ!?!?

と,大変喜んでくれた.

どうやらウラミスジシジミという九州では珍なチョウだったらしい.


ガリバ探しを再開するが,黒くてちっこい寄生蜂しか見つからない.おかしいなあ.


ここで正午を迎えたので,たまたま同じくここに来ていたOさん,Sさんという虫屋さんとともにトガリバを探す.

お二人ともかなりのベテランだ.



……が,この二人をもってしてもトガリバはほとんど見つからなかった.かろうじてSさんが1頭見つけたが,普段ならここはトガリバなんて何十頭も採れる場所らしい.ほんと,どうなっているんだ.


結局トガリバは0頭で下山した.最後にハヤシミドリシジミのポイントに寄って少し遊んでから,帰った.