とある機関の大学職員 第5話 国立大学法人等職員の選考プロセス その2

(続きものです。その1を読んでからどうぞ。


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4.【第一次試験(筆記)】(5月の中旬頃)
さて待ちに待った第一次試験(筆記試験)の当日です。当日は受験票などで指定された会場へ向かいます。大抵はその地区の国立大学が試験会場になっていると思いますが、キャンパスが複数存在する大学もありますので、試験場を間違えないように注意しましょう。例えば東京大学は「本郷キャンパス」ではなく例年「駒場キャンパス」が試験場になっているようです。試験場を間違えてしまうとその時点で受験できません。


遅刻は厳禁です。入室限度時刻、というものが定められており、この時刻を過ぎると入室することができなくなります。試験場まで迷わないように予め下見をしておくか、時間に余裕を持って向かうと良いでしょう。少しでも遅刻をするとその時点で受験できません。


試験は事務系(事務・図書)の場合、2時間の教養試験のみです。午前中までで終わるので昼食は不要です。技術系の場合、午前中の教養試験に加えて午後の専門試験がある試験区分があります。専門試験を課される区分で受験する場合は、昼食を持参する必要があります。近くに手ごろなお店があるかどうかわかりません。バッグに菓子パンを忍ばせるなど、最悪試験室で軽い昼食をとれる準備をしておくと慌てなくて済みそうです。


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5.第一次試験合格発表(6月下旬)
第一次試験の合格発表は地区ごとにそれぞれ行われます。合格者の受験番号が掲示されるほか、合格者には合格通知書が郵送されます。こちらも受験票同様に郵送事故等で届かないケースが考えられますので、自分の受験番号が掲示されているのにも関わらず合格通知書が届かなかったら、採用試験事務室まで問い合わせておきましょう。


ただし、採用試験事務室では合否については教えてもらえません。受験番号を忘れると合格通知書が届くまで合否を知る手段がなくなってしまいますので、受験番号は忘れずにメモしておきましょう。


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6.【第二次試験(面接等)】(7月から)
第一次試験に合格すると第二次試験(各機関による面接等)に進みます。当たり前ですが、第一次試験に合格したからといって採用されると決まったわけではありません。第一次試験の合格によって得られるものは「第二次試験を受験する権利」といったところでしょうか。


合格発表から第二次試験までの流れは地区によって若干異なるようです。
合同説明会を実施する場合もあるようです。
機関訪問をしなければならない場合もあるようです。
機関側から電話で第二次試験のお誘いが来る場合もあるようです。
逆に自分から機関に電話して第二次試験を申し込まなければならない場合もあるようです。
ご自身の受験した地区はどのようなプロセスとなるのか、必ず事前に確認をしておきましょう。


第二次試験の内容は機関によって様々です。巷の話によると、集団面接、個人面接、英語による面接、役員面接などが行われているとのこと。実務教育出版『国立大学法人等職員採用試験攻略ブック』には、一部機関の第二次試験の情報が掲載されているようです。
(参考)『22年度 国立大学法人等職員採用試験攻略ブック』
http://jitsumu.hondana.jp/book/b2873.html


また、事務系の図書で受験した場合はこのタイミングで図書の専門試験があります。この成績と機関毎の第二次試験の成績で合否が決まるようです。過去問はホームページで公開されています。
(参考)関東甲信越地区国立大学法人等職員採用事務系(図書)第二次試験:http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/tosho_shiken/


ちなみに図書の第二次試験の問題を拝見しましたが、司書の勉強をしたことのない私にはサッパリでした。受験時に司書資格は不要とはいえ、ある程度司書の勉強をしておかないと厳しいかと思います。


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7.内定(内々定)もしくは採用
第二次試験に合格すると、その機関から内々定の連絡が来ます。新卒の方の場合は、実際の内定は10月以降になります(この辺りは一般的な就活と一緒ですね)。既卒の方は即内定となり、場合によっては8月や9月から働くことになります。


もしどの機関からも内定がもらえなかった場合は、「希望届」を提出することができます。事情は色々あるのでしょうが(辞退者が多かったとか?)、追加で第二次試験を実施する場合があります。「希望届」を出しておくと、そういった追加募集の第二次試験を受験することができます。これにより、7月や8月に内定(内々定)がもらえなくても、10月以降や年明けに面接等を経て、内定がもらえることもあります。


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以上、細かすぎるぐらいに細かく見てみました。


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