トルコの干渉に警告 イラクのクルド人指導者 キルクーク問題でさやあて

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070415-00000015-san-int

 【カイロ=村上大介イラク北部の有力クルド人指導者、マスウド・バルザニ・クルド自治政府議長が、イラク北部の油田都市キルクークの帰属問題に関し、「トルコが干渉するなら、われわれもトルコ国内のクルド人問題に干渉する」と発言し、波紋を呼んでいる。年内の実施が予定される住民投票に向けて、キルクーク自治区編入を狙うクルド人勢力と、それがクルド独立につながることを強く警戒するトルコの間で緊張が高まりそうだ。

 問題の発端は、バルザニ氏が9日、「トルコがキルクークに数千人しかいないトルクメン人(トルコ系住民)のために干渉を続けるなら、われわれ(イラク北部のクルド人)はトルコ国内に3000万人いるクルド人の問題に関して行動を起こす」とテレビのインタビューで語ったと伝えられたことだった。

 イラク北部のクルド人勢力は、1991年の湾岸戦争後、米欧に保護される形で「クルド自治区」を樹立。事実上の独自政府を持ち、2003年の旧フセイン政権崩壊後はイラクの新政権に加わりつつ、権益の拡大に動いている。

 その最大の焦点がキルクークの帰属問題で、キルクークがもともとクルド人のものだったと主張するクルド人勢力は、イラク新体制下で住民投票実施の約束を取り付け、キルクークの“合法的”なクルド自治区への編入を狙っている。

 しかし、旧フセイン政権崩壊後、アラブ人やトルコ系住民も混住するキルクーククルド人流入し、他の民族を圧迫しているとの不満も出ておりイラク政府が住民投票を強行すれば流血の事態になるとも指摘されている。

 とりわけトルコは、イラク北部でのクルド人国家樹立がトルコ南東部を中心とした自国内のクルド人住民の間に独立機運を高めることにつながると懸念しており、イラククルド人の独立阻止はトルコの安全保障上の優先課題になっているとさえいえる。

 トルコ国内では、非合法組織のクルド労働者党(PKK)が1984年以降、クルド独立を目指してテロ・武装闘争を続けており、トルコ軍はPKKゲリラがイラク北部を出撃拠点としていると非難。トルコ軍参謀総長は12日、記者会見で「PKK掃討のためにイラク北部での軍事作戦が必要だ」と言明した。

 トルコ軍は2003年のイラク戦争後、同盟国である米軍がイラクに駐留していることもあり、侵攻を見合わせてきた。今回の参謀総長の発言も警告の域を出ないと受け止められているが、イラク北部のクルド人独立の動きが本格化すれば、米国との関係を犠牲にしても軍事作戦に乗り出す可能性は否定できない。

まぁトルコとクルドの最近の問題は
■<イラク>バルザニ・クルド地域政府議長、本紙と単独会見
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070407/1175902416

米紙ワシントン・ポストによると、隣国トルコのグル外相は2月、「キルクーククルドに帰属すれば、最悪のシナリオはイラクの分断だ」と述べ、住民投票中止を訴えた。推定1000万人以上のクルド人口を抱えるトルコは、トルコ国内で独立運動が先鋭化するのではと危惧(きぐ)しているためだが、バルザニ議長はこうした動きを「主権国家イラクへの内政干渉だ」と強い不快感を示した。

あたりから来てるんでしょうな(まぁこの記事ではトルコ内のクルド人は推定1000万以上ということで上のバルザニ氏の3000万より少なそうですが)。その同じエントリ内の、
イラク:旧フセイン時代の移住アラブ人に補償金と土地提供
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20070402k0000m030069000c.html

 キルクークは周辺に油田地帯が広がり、旧フセイン政権は、アラブ人支配を確立するためクルド人を別の土地に強制移住させ、アラブ人を入植させた。旧政権崩壊後はクルド人が多く帰還している。

というのが、上の産経の記事

しかし、旧フセイン政権崩壊後、アラブ人やトルコ系住民も混住するキルクーククルド人流入し、他の民族を圧迫しているとの不満も出ており

の実態じゃないでしょうか。

しかし同じ毎日新聞でも、
■<イラク>比較的安全なクルド地域 復興に向けた動き加速
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070407/1175959239
とかずいぶん能天気な気がしますが、キルクークを除いたクルド地域ということなんでしょうか。