猫轍守衛の偽業務日報

訳あって暇人やってる、その昔似非鉄道趣味者だったクズの毒吐きブログ。虎もライオンもデカい猫だけど、文句ある?

そんな緊急事態・異常発生時の連絡体制で大丈夫か? ver.阪急オアシス武庫之荘店

武庫之荘阪急オアシスで客の負傷事案発生とか。
エスカレーターのベルト停止、4人けが 尼崎‐神戸新聞 http://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/0003588689.shtml
 6日午前11時半ごろ、尼崎市武庫之荘1、スーパー「阪急オアシス武庫之荘店」で、2階へ昇るエスカレーターに乗っていた市内の男性(83)が転倒した。そばにいた男性の妻(80)や女性2人が男性を支えようとして折り重なるように倒れ、病院に運ばれた。4人は顔や足を打つなどの軽傷。
 尼崎北署などによると、当時右側の手すりのベルトが停止した状態で、左側の手すりのベルトと足元のステップは動いていた。転倒した男性は、停止したベルトをつかみバランスを崩して倒れたとみられる。
 同店によると、午前10時ごろに清掃員の女性がベルトが止まっているのに気付き、店の従業員に伝えたという。しかし同店では、エスカレーターの使用を中止したり、張り紙で注意を促したりするなどの措置を取っていなかった。尼崎北署は業務上過失傷害の疑いもあるとみて、関係者から事情を聴いている。
 同店の広報を担当する「エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング」の担当者は「従業員がほかのことに手を取られ、対応が遅れた。けがをされたお客さまには誠に申し訳なく、おわび申し上げます」と謝罪した。(2010/11/06 22:21)》
手摺りのベルトが停止状態になった上りエスカレーターに乗った客数名が転倒……下りエスカレーターでなくてよかったなというか。
この事故から何が見えるかと言うと、阪急オアシス武庫之荘店の緊急事態・異常発生時の連絡体制が店舗の全従業員に周知されてなかった事により起きた機能不全か、連絡体制そのものの不備。という事であくまで上記神戸新聞の記事内容に基づく考察をしてみる。
■店内エスカレーターの手摺りベルト作動不良を阪急オアシス武庫之荘店側が把握するまでの経緯
阪急オアシス武庫之荘店の営業時間は、運営元である『阪食』のホームページにあった店舗情報(http://www.hanshoku.co.jp/map/shopinfo/1023.html)によると9:00〜21:00とある。当然ながらエスカレーターの起動は開店時間である午前9時には動いていないといけないので、起動するのはそれより前の時間になる。今回の事故の場合、その時は上りエスカレーターの異常は認められなかったという事になる。
その上りエスカレーターに手摺りベルトが作動していないという異常が発見されたのが開店から1時間程経った10:00頃。事故発生の約1時間半前だ。見つけたのは清掃員の方。恐らくエスカレーターの手摺りを雑巾で拭こうとしたら「動いてないやんか!」と。で、近くの従業員さんに「エスカレーターの手摺りが止まってますよ。」と連絡。まあここまでは大なり小なりどの施設でも(緊急事態・異常発生時の連絡ルートを全従業員に徹底させてないところなら尚更)よくある事。
■では何故エスカレーターの異常は放置されたのか?
問題はここから。清掃員が従業員にエスカレーターの異常を伝えたはいいが、その後事故発生まで店の管理側がエスカレーターの異常に対して何らかの処置をとる事はなかった。何があったんだろうか?
普通阪急オアシスクラスのスーパーなら商品管理・レジ・調理の他に施設内の設備の管理を担当している従業員が小数ながらいる筈だ。勿論こじんまりとした防災センターなり管理人室の類もある筈で(それが無ければ何処で火災報知器や消火設備や防犯センサーの類を監視せぇ言うねんって話だが……w)、普通店内設備に異常があれば、設備担当の従業員の人が自ら修理、若しく業者を手配するといった処置を施す。その設備担当の従業員が異常を把握するルートは他の従業員からの連絡、買物客や取引先業者からの連絡、あるいは自分自身が異常を確認するなどと言った具合にだ。
が、この事故では設備担当がエスカレーターの異常を把握していなかったという事が考えられる。しかしその情報は清掃員が異常発見後に近くにいた他の従業員に伝えた筈である。そこから設備担当に報告がされていれば、買物客に対するエスカレーター使用中止の案内が事故に至る前に出来た筈だ。
上記神戸新聞の記事には阪食の直接の親会社であるエイチ・ツー・オーリテイリングの広報担当曰く「従業員がほかのことに手を取られ、対応が遅れた。」とある。阪急オアシス武庫之荘店の朝10時頃の来客状況と売場・レジの人数がどの程度かは行った事のない自分にはわからないのだが、エスカレーター異常の連絡を受けた従業員(もしかしたらたらその上役の従業員にまで情報が伝わっていたのかもしれないが)が通常業務をこなす事に手一杯で、設備に連絡する余裕が無かったか又はすっかり忘れてしまっていたか、だ。だってスーパーの売場とかレジっていつも最低限の数の人間で金銭扱って動いてるんだもん。そりゃ皆一杯いっぱいになるっての。連絡したくても……orzな状況だったのでは? という事。H2Oリテイ広報の話を鵜呑みにするなら、ねw
(最もエスカレーター異常の連絡はきちんと設備担当に伝わっていたが、彼らが確認しに行くとその時は異常が認められなかったので様子見にしていた可能性も大いにある。)
■緊急事態・異常発生時の連絡体制は本当に機能したのか?
そうなると緊急事態及び異常発生時の連絡体制が阪急オアシス武庫之荘店の全従業員(阪急オアシス以外のテナントの従業員も含む)に周知されていたのか、という話になる。勿論連絡体制は存在している筈である。しかしこの件ではそれが機能しなかった事は清掃員が上りエスカレーターの異常に気付いてから事故発生迄の約1時間半の間に何等エスカレーター自体に対策がなされてなかったという事からしても明らかである。
この事故の場合、それは清掃員が店内での起きたどんな異常を何処に言えば良いか知らなかった可能性が最大の原因として考えられる。つまり何でもかんでも売場の店員さんに言えば後は何とかなる、それが常態だったのではないかと。店舗側がどういった内容の異常・緊急事態の情報を一体誰に伝達すればいいのかと言う事をその清掃員に教えてなかったという事だ。もしかしたらそれは清掃員からの連絡を受けた従業員も同様かもしれない。
■という事で、もっといい連絡体制の確立を頼む
私のこの憶測に対し「異常・緊急事態発生時の連絡体制? んなもんちゃんと店舗の全従業員に周知させておるわボケ!」って反論があるかもしれない。でももしかして連絡先記したプリント1枚渡したとだけとか、詰所の壁やレジの横に連絡先書いた紙貼ってあるから見ておく様にとか、そんな程度で済ませてません?wスーパーの従業員はメンバー変わりやすい上に複数の会社の人間が仕事しているんだから度々口頭できちんと説明しておかないと意味が無い様な気がしますがね。物事の理解には個人差も大きいのだから。