西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

箸作り体験勉強会

今日は午後5時から北海道神宮参集殿で、日本の伝統工芸である箸作りの体験を通して物作りの技・美・心に触れると共に食の文化を学ぶ事を目的に、青年神職文月会の十月例会として「箸作り体験勉強会」が開催されました。
当社からは、私と越川権禰宜の二人が出席して参りました。

箸は、生命を維持する食べ物を口に運ぶ手段である事から「生命の杖」とも云われ、日本では古来から、単なる食事用の道具としてではなく、霊的な力を秘めた神聖な道具として扱われ、そのため神社仏閣では箸を授与品として参詣者に頒布している事も多く(その場合の御利益は延命長寿・開運・厄除けなどが多いようです)、また、よく知られている枕飯もしくは仏箸と云われる作法(山盛りのご飯に箸を立てて死者の枕元に置く風習)も、こうした箸の呪力を利用したものであり、箸は、私達宗教者には何かと関わる事が少なくはない、重要なアイテムでもあります。
その箸に纏わる勉強会という事で、私は今回、特に関心を持って、この勉強会に出席してきました。

文月会10月例会(北海道神宮参集殿)

文月会10月例会(北海道神宮参集殿)

北の箸工房よし膳」代表の“プーさん”こと高橋義人先生の御指導の下、参加者全員(文月会の会員・特別会員や、会員・特別会員の奥さんやお子さん達など)で、素材として配られた若狭塗りの箸を、紙ヤスリの付いたコロで磨いて、箸の表面に埋め込まれている貝殻や、下地として塗られている綺麗な模様などを浮かび上がらせる作業を行いました。
ちなみに、若狭塗りは、小浜藩(現在の福井県小浜市)の御用絵師であった松浦三十郎が、慶長2年(秀吉が朝鮮に再出兵した年)に、若狭湾の海底の美しい模様をヒントに生み出したと云われています。

文月会10月例会(北海道神宮参集殿)

文月会10月例会(北海道神宮参集殿)

下の写真の1枚目が、研ぎ出す前の箸で、2枚目の写真が、研ぎ出した後の箸です。
箸の下地に貝殻を貼り付け、その上に幾重もの塗料(本来は漆が使われるのですが、今回の体験勉強会では漆でかぶれないように、食品衛生法で認可されている安全なエボキシが代用されています)が塗り重ねられており、それを耐水ペーパーの紙ヤスリで丁寧に磨き続けると、下に隠されていた綺麗な柄が段々と出現してくるのです。プーさん先生はこれを“宝探し”と称していましたが、この宝探しは、特に子供達には大好評でした。

文月会10月例会(北海道神宮参集殿)

文月会10月例会(北海道神宮参集殿)

また、プーさん先生は、箸に関係して、エコの話や食育の話しなどもして下さり、私としてはこれらの話しも大変興味深かったです。

そして、箸作り体験勉強会が終わった後は、引き続き参集殿で懇親会が開催されました。
今回の懇親会は、文月会の会員や特別会員だけではなく、会員・特別会員の奥さん方やお子さん達が多数おられたためか、私としては、いつもの文月会の懇親会に比べると皆さん少し大人しいかな、という印象を受けましたが(笑)、それは兎も角、プーさん先生を囲んでの、とても楽しい懇親会となりました。

文月会10月例会 懇親会(北海道神宮参集殿)

文月会10月例会 懇親会(北海道神宮参集殿)

今年の4月に文月会の役員(幹事)を任期満了で退任して以来、私が文月会の行事に参加する機会は、以前に比べるとやはり少なくなり、今回私が文月会の行事に参加したのは、7月上旬に斎行された某神社の宵宮祭の助勤以来となりましたが、今後はなるべく、文月会の行事には積極的に出席するようにしたいなと思っています。

(田頭)

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