友近単独ライブ 「高いところから失礼をしております」〜8/19

於:新宿ルミネ。
テレビで面白いからといって、その芸人の単独ライブが面白いという保証はどこにもないということを、実際にライブに行ったりツタヤでDVDを借りてみたりして実感しているのだけれど、
この友近のライブははっきりと推せる。これは良かった。
(まあ、私がもともと友近が好きっていうこともあるんですけどね。)


客層が謎で、中年以上の人や男性が多かった。ライブで客が入らない場合、家族や親戚に頼んで見に来てもらったりするので不思議な客層になっている場合もあるが、友近知名度の場合それはあり得ないだろうし……この客層のお客さんたちが実際にチケットを買ってルミネに足を運んだとしたらすばらしいことだと思いますよ。
満員で立ち見も出ましたからね。


ゲストはなだぎ武とハリセンボン。プラン9はとにかく女子に人気ありますな。ハリセンボンは、友近の方から「一度一緒にやりたい」とオファーしたというすばらしい話。


本来、舞台を整えている間のブリッジ的役割であるはずのVTRに異様に力が入っていて笑う。しかも実際のコントと合わせて微妙なボールばっかり投げてくる!(笑)
ひさしぶりに「ここまでやっていいんだ!」っていう爽快感を味わいましたよ。いやまあ本当にあそこまでやっていいかどうかはわからないけど、こういう人が一人くらいいないとお笑い界も面白くないですからね。自分にとっては。


コントは全般的に「仲居さん」とか「新体操部」とか、見慣れているのはぜんぜんやらなかったのも良かった。あ、「ビバリーヒルズ青春白書」のパロディみたいのはやったけど。全体的に新作っぽかった。
「ソーセージ販売員」にはこだわりがあるらしく、ソーセージ販売員のTシャツもつくったそうです。


東京では初めての単独ライブだったそうだけど本当かな? と思わせる(まあ、大阪では何度もやっているそうだから完成度が高いというのはあるでしょうが)。
やりたいことの軸にブレがないから、たぶん次回があってもどっぱずれるということはないんじゃないかな。
少なくとも、テレビの友近が好きな人には確実に勧められますよ。

キンコン問題

youtubeで「飯島愛」で検索したらすぐ出ましたわ。
いやーこれはダメでしょう。
個人的見解としては、空気云々というより教養の問題だと思います。
youtubeを見るかぎり、中居の後フォローもそうとう冷酷だったと思いますが(もうちょっとやりようは無かったか?)、
観客が引いてたね。いいともの客は声のトーンが一定だから、だいたいわかる。
「いいとも」で観客引かしたらその場の役割としては終わりでしょう。


ブラックネタというのは、TPO、それと「どこをどういじればいいか(いけないか)」というのがわからないといけない。
正直、こんなひどいのテレビではほとんど初めて見ましたよ。


でもまあ、だからといって「キンコンをレギュラーから降ろせ」とか、そういうことは思わない。
心の中で軽蔑するだけです。
最近、すぐブログが炎上してしまったりするでしょ。
具体的なところだと元プリンセス・プリンセスの人が高校野球についてなんか書いたときとか、
あとかめだ問題もそうですけど。


むかしだれかが言っていたけど、「悪人の証言」という考え方があって、
何かひどい発言があった場合、それに猛抗議すると、もともとの証言自体がタブー化して失われてしまうケースもあるんですね。
もちろん、抗議しなければならない場合もあるんだろうけど、
今回はそっと心の中で軽蔑すればいい話かなと。
飯島愛本人が抗議すれば別ですけど。
ただキングコング梶原がこういうことをこういう場で言ったという事実だけを、記憶にとどめておけばいい。
(この場合「悪人」呼ばわりはかわいそうな気もするけど用語として)「悪人の証言」として、
なんかあったときにみんなが参照して反面教師にすればいい。


ひとつだけキンコンをフォローするとすれば、
このコーナーってもともとゲストを褒めちぎるのが基本トーンなんですよね。
「褒める」という選択肢の中で笑いを取るとすれば、
久本みたいに自分をネタにして落とすか、
ぐっさんみたいに似顔絵書いて別ベクトルに持っていくとか、
そういうことくらいしかできないんだよね。
後は、思いきってゲストを下げる方向で行くしかない。
だから簡単なようでむずかしいということは言える。


それと、もうひとつは飯島愛という人が、お昼の番組でどういじっていいかよくわからないというのはある。
ちょっと考えたけど、この人はどこまでがアリなの?
ギルガメの話はしていいの?
Tバックネタとかは?
まんがの森」のCMに出ていたというのはNGなんでしょ?
書いた小説の内容はお昼にはふさわしくないし……。


それ考えると、今の飯島愛ってもしかしていじり方がすごくむずかしいのかもね。
むしろツッコミ側の人でもあるし。


まあ何にしろ、もうちょっと周りの人が何か教えてやれよと思うけど。
この回答はないだろう(笑)。あまりにも予想の斜め上でかえってビックリしたわ。


追記
「もしも爆笑太田だったらどうするか?」を私も考えたが、あの答えはぜったいに無かったと思う。
太田は、もっと直接的な物言いをするからね。
ぼやかしただけにマズいんですよ。
まだ「歌舞伎町」とか言った方がマシだったかも(いや自分で書いててそれが正解だとも思えないけどね)。
繰り返すが、確かに意外とむずかしいお題ではあると思うんだ。

空気読め問題

http://d.hatena.ne.jp/toronei/20060817/A


未読で情けないですが、山本七平「空気の研究」という著作があるくらいで、日本人はもともと「空気」に左右されやすいんですね。
というか、「空気」と関係ないところで物事を進める、という考え方自体が西洋から入ってきたのではないかとすら思える。


で、私はこと「バラエティ番組」ということに関して言えば、「空気」というのは存在すると思ってます。
ただし、それを学校や職場で援用していいわけではない、という当たり前のことが、まあ、わかんない人が多いんですよ。
バラエティと学校や職場は地続きではない。
そういう簡単なことを……まあ学校でも教えてくれませんからね。


逆に言えば、最近のバラエティ番組というのは学校や職場でワイワイやっている状態を、いかにそのまま引き写すかということに血道をあげているように思います。
相互補完になっちゃってるんですね。


その場の「流れ」とか「あうんの呼吸」というものと、「雰囲気」とか「ノリ」みたいなものを区別していかにコトを進めていくかというのは、
私個人は、何とかなるまであと10年はかかるのではないかと根拠もなしに思っています。


私が一時期の「Goro's Bar」の評価がすごく高かったのは、いわゆるひな壇並べてバランスよくタレントを配置して……というのとは違った、いちおう「ショー」の体裁を取っていたところにあるんですが、そのGoro's Barもゲスト二人体制になってからとたんに面白くなくなりましたなぁ。