鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<295>

隠退牧師の徒然記(2013年7月20日〜)<295>
2014年10月15日「山頂より、さらに高きところから」


聖書の言葉
悪魔はイエスを非常に高い山に連れて行き、世のすべての国々とその繁栄ぶりを見せて、「もし、ひれ伏してわたしを拝むなら、これをみんな与えよう」と言った。すると、イエスは言われた。「退け、サタン。『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ』と書いてある」。そこで、悪魔は離れ去った。
(マタイによる福音書4章8-11節)



 このところこのブログで山登りを書いている。特にご来光の喜びであるが、山頂よりの眺めはなんとも言えない。絶景を見る喜びは、やはり苦労して登って来た者のご褒美であると思うのである。山の上から見る景色のすばらしさであるが、では高きにいると絶景は見られるのかと言えばそうでもない。飛行機の中からの下界は、地図を見るようで、景色を見る思いではない。間もなく着陸態勢の距離でも、飛行機から見る景色は、何の感動もないのである。何の感動もないフライトであるが、今年もまたスペイン・バルセロナに行くことになる。10月21日に出発して1月8日に帰国する予定である。スペイン・バルセロナには娘の羊子がピアノの演奏活動を行っているので、訪ねるということである。バルセロナには2011年4月4日から5月18日まで、連れ合いのスミさんと二番目の娘・星子と共に滞在している。そして2012年9月10日から11月6日まで、この時は連れ合いのスミさんと滞在している。そして今回であるが、今までの中で一番長い滞在となる。「最近は外国を渡り歩いていますね」なんて言われる。昨年の2013年3月13日から6月4日まではマレーシア・クアラルンプールに行っていたからである。クアラルンプール日本語キリスト者集会のボランティア牧師として連れ合いのスミさんと共に赴いたのである。従って、2011年、12年、13年、14年といずれも一ヶ月半から二ヶ月以上の外国生活をしているのである。その意味では飛行機に乗ることにもすっかり慣れたのであるが、やはり飛行機の乗継は気を使う。マレーシアまでは7時間くらいで行かれるし、直行便で行かれるので苦労はない。しかし、スペイン・バルセロナの直行便はなく、必ずどこかの国で乗り換えるのである。2011年の時は、往路はドイツのフランクフルト空港で乗り換え、帰りはスイスのチューリッヒ空港で乗り換えた。2012年は行きも帰りもフィンランドヘルシンキ空港で乗り換えている。今回のフライトは行きも帰りもドイツのフランクフルと空港で乗り換えることになっている。乗り換えなので、その国を見学するのではないが、その国に降り立ったことは確かである。2011年の滞在では、羊子がフランスのパリに連れて行ってくれた。ルーブルオランジュリー、オルセー美術館を見学する。2012年はイタリア・ローマに行き、ヴァチカンやローマの歴史を見学したのである。これらの時も飛行機であるから、飛行機で世界を飛び回っているという表現は、まんざら違ってはいない。もっともヨーロッパ、アジアであり、アメリカには行っていない。韓国にもキリスト教の会議で行っているし、エジプト、イスラエルは聖地旅行で行っている。
 最初に飛行機に乗ったのは、いつ頃であったか覚えてはいないが、昔は羽田と仙台間の便があった。その便に乗ったことを覚えている。しかし、今は新幹線も早いし、飛行機の便は無いようである。1980年代は教区や教団の要職を担っていなかった。しかし、幼稚園関係の会議で全国を訪ねていたと思う。全国教会幼稚園連絡会の委員を担うようになり、開催する園長会、主任会等が全国で開催されるので、飛行機の国内線を利用したものである。大抵は1、2時間のフライトで、乗ったと思ったら、もう到着である。電車より早いので便利であった。1990年代になると、聖地旅行で韓国、エジプトのルートでフライトするが、おそらく外国旅行はそのときが初めてであったと思う。そのときは川崎教会の山鹿昭明牧師と一緒であり、外国旅行になれている山鹿先生にいろいろと教えてもらったものである。2000年代になると教団の総会書記を担うようになり、さっそく韓国に派遣されるのである。韓国は国内と同じように短いフライト時間なので、フライトの印象は薄れる。毎年5月になると日本基督教団の17教区が教区総会を開催する。その教区総会には教団の三役と総幹事が手分けして訪問するのである。それを教団問安師と称しているが、北海道、九州、四国、東中国、西中国教区の総会は、ほとんど飛行機で行き来している。東北、関西等は新幹線で行き来している。
 こうして現役時代は飛行機に乗ることが多かった。隠退にあたり、もはや飛行機に乗ることもないだろう、と思ったものである。ところが現役を退任することによって、今まで念願であったが果たせなかったスペイン行きが浮上してくるのである。連れ合いのスミさんはすでに二回もバルセロナに行っているのである。隠退したらマレーシアの職務もあり、バルセロナに赴くこと今回で三回目である。最近は高い山の山頂から景色を見ることが無くなったのであるが、地図みたいな景色でも、空の上から見る地球ということで喜ぶことにしよう。



2012年のバルセロナ往復はフィンランド航空を利用する。
ヘルシンキ空港での乗り換えの時。



ヘルシンキ空港には11月5日であるが、
すでにクリスマスツリーが飾られていた。