タイムリピート。

juiceの舞台を見に新宿へ。
なぜか舞台のチケ運が良かったりするので
自枠最前での観劇。


あらすじなど前情報を全く入れず見たのですが
終わった後の第一声が何の躊躇も無く「面白かった!」だったのは
舞台系を見て初めてかもしれないな。


今まで見たことあった舞台やミュージカルは
終わった後にどういう感想を持てばいいのか考える様な、
割と中途半端なままモヤっと終わったりするものばかりだったので
舞台ってのはそういう風に一部を切り取って
ぼやかしながら終わるものなんだなって思ってたんだけど、
そんな事はない舞台もあるんだなと知りました。


以下はちょっとネタバレありつつの感想。


限定された空間の中で繰り返されるタイムリピート。
その密度の中で物語が繰り返し展開されていたのも
長くダラダラするようなものに比べて
集中して見れた要因なのかも。


宇宙船の爆発という死を条件にして
その少し前の時間まで記憶をもったまま時を遡り
最初は混乱しつつも徐々に現象を理解していくルナ(愛香ちゃん)。


そしてまた確実にやってくる死を回避するべく
方法を模索していく展開が、次はどうなるんだろうと
毎回ワクワクさせられるようになっていて、
単なる繰り返しでは無い時間の繰り返しがとてもテンポよくて
各人物の些細な行動にも目を配らせたくなる湧いてくる疑問。


それぞれの素上が明かされて、これで解決するかと思った矢先
まさかの大どんでん返しから一気に結末へと向かい
こちらに余計な思考を与えさせず終わりを迎える事に。



火の鳥の永遠の命のような切なさにも似た
永遠に繰り返される死というのが気の遠くなる話で、
見終わった後に考えるとたまらなく辛くて
なんとか全員生き残るすべはないかと
アナザーバージョンの展開を考えてみたけど
それだとここまで心に残る話にはならないのかななんて思ったり。


舞台とは直接関係ないけど
見終わった後にウナマスに入ってるシンクロを聞くと
やけに舞台の内容とシンクロする歌詞があったりして
また違った内容のシンクロに聴こえて泣けてくる。



脚本の良さもさることながら
メンバーみんなの演技がまたすごい。


記憶を持ったまま繰り返す人の感情の変わり方、
記憶を持たずに何事も無かったかのように繰り返す人、
記憶を持ったまま繰り返して芝居に変化が出てきたと思いきや
記憶をリセットされてまた元通りになる人など
あの目まぐるしい展開の中で周回ごとに演技をやり分けてるのが
みんなほんとに凄いなって。


ほぼ主役のまなかちゃんの歌、演技、可愛さは
とにかく半端ないクオリティだったし、
かりんちゃんの早口な感じもしっかり役に沿ったもので、
進むにつれて芯を持っていく変わり方も見事。


真面目なかなとも副船長はイケメンなのに
尻がぷりっぷりで役もキリッと決めているし、
江戸っ子職人気質のさゆきちゃんなんか
まー見事にはまり役で何をやってもさまになってんだよね。


各キャラクターもメンバーを意識した役にして
脚本作ったりしたのかな。
演劇チームも含めてとても良い配役でした。


最前で見させてもらったので
目の前にメンバーが来た時はずっと見てるのも照れるし
まなかちゃんは目の前座って足組むもんだから
目のやり場に困ったし、最前ってたまに行くと
楽しむのとはまた違う緊張感がありますね。




期間も短く場所も限られてるけど
少しでも多くの人に見てもらって感動を共有したい舞台です。
イムリピートものなんで細かい設定なんかは置いといて
そういうのは気にせずに見て欲しいですね。


良いものを見たあとってあんなに清々しくなるもんなんだなー。
久しく体験してない事でした。