岩崎忠先生より,ご恵与賜りました.ありがとうございました.岩崎忠先生は,本誌内で「指定管理者制度政策評価 −神奈川県立都市公園を例にして」(96〜124頁)と題する御高論を寄稿されております.
下名個人的は,本稿を通じて,外部観察者が余り把握することができない,行政内部における意思決定過程の様相を,たいへん学ばせていただきました.特に,「六 神奈川県都市公園の指定管理者選考過程」では,外部評価委員会・県土整備部指定管理選定会議と行政システム改革調整会議との間で,前者での「評価結果が覆され」(110頁)る過程の描写は,指定管理者制度を巡る各主体毎で,同制度を通じたサービス内容に重きを置くか,経費に重きを置くものとするかという,まさに,muddling through(96頁)ともいえる認識過程,認識の相異を拝読させていただきました.
また,本稿では,東京都と静岡県の評価制度を参照されつつ,「都市公園における指定管理業務評価」(121頁)について制度設計案として取りまとめられえており,同制度を通じて,「モニタリング・評価」が「地方公共団体と指定管理者とが,緊張感を持ったコミュニケーションをとることで,新たな施策を創出する「場」として位置づけることが望まれる」(122頁)との指摘からは,同制度がもつ可能性について大変刺激をいただきました.
心より御礼を申し上げます.誠にありがとうございました.