別府市と市医師会は、夏休みを利用して小学4年生と中学2年生を対象に実施している「生活習慣病予防健診」の受診を呼び掛けている。昨年初めて実施したが、受診率は小4が31.6%、中2が20.5%と低かった。市は「早い時期から健康に関心を持つことが大事。無料で受けられるこの機会にぜひ受診してほしい」としている。
 市健康づくり推進課などによると、全国的に高血圧症、糖尿病、高脂血症などの子どもが増加している。昨年受診した別府市内の児童・生徒のうち、約25%が生活習慣病予備軍と判断された。問診票で「夕食後に間食する」「ジュースやスポーツ飲料をよく飲む」などと答えた児童・生徒も多かったという。健診は小児科や内科など市内の39カ所の指定医療機関で受けられる。内容は身長、体重、血圧の測定、血液検査、色覚検査(小4の希望者)。健診結果に応じて生活習慣改善のための教室なども開く。市は昨年より早い時期に広報を始め、健診期間も約20日間長くした。対象者約2千人のうち、これまでの受診者は101人(6日現在)となっている。「親子で今の生活習慣を見直してほしい」と同課。市医師会は「子どものころから健診を受ける習慣を身に付けてほしい」と話している。健診は9月15日まで受けられる。指定医療機関などに関する問い合わせは同課(TEL0977−21−1117)へ。

本記事では,別府市における生活習慣病予防検診の取組を紹介.同取組に関しては,同市HPを参照*1
同「市内小学4年生」と「中学2年生の希望者」を対象に,「身長・体重,血圧」の測定と「血液検査(中性脂肪コレステロール,肝機能,腎機能,貧血,糖尿病の検査)」を「指定医療機関にて」実施.料金は「無料」.生活習慣病もまた「集団全体が罹りうる病気」とすれば「集団的な予防戦略」*2として,「健康を改善する可能性のある」「早期の支援的介入」*3が効果的とも考えられる.
一方で,本記事を拝読させて頂くと,その受診率は,2011年度では「小4が31.6%,中2が20.5%」と限定的.そのため,2012年度には「早い時期に広報を始め,健診期間も約20日間」とするなど,広報の早期化と検診の長期化による,受診者の増加を企図されている,という.受診,すなわち,生活習慣の改善には直結はしないものの,受診の選択制という「分散化」*4のもとでの,本年度の受診者数は要確認.

*1:別府市HP(保健医療・介護・福祉)「児童・生徒の生防活習慣病予健診について

*2:ジェフリーローズ『予防医学のストラテジー生活習慣病対策と健康増進』(医学書院,1998年)95頁

予防医学のストラテジー―生活習慣病対策と健康増進

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*3:ノーマン・ダニエルズ,ブルース・ケネディイチロー・カワチ「正義はわれわれの健康によい」ノーマン・ダニエルズ, ブルース・ケネディ, イチロー・カワチ『健康格差と正義』(勁草書房,2008年)29頁

健康格差と正義―公衆衛生に挑むロールズ哲学

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*4:手塚洋輔『戦後行政の構造とディレンマ』(藤原書店,2010年)288頁

戦後行政の構造とディレンマ―予防接種行政の変遷

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