うちの実家は細分化して処分してしまった。残ったところに姪っ子家族が家を建てた。その新築祝い宴会を横浜の中華街でして、さっそく見に行った。いかにも今どきの若い人たちが建てた家で、床はみんな古い感じに仕上げたフローリングで木肌をそのままにして風味が出ている。家具もほとんどそんな感じのものにしているし、台所に分厚い古材とおぼしき一枚板で作ったカウンターにしてあって、これが風格を醸し出している。なんせそれまで一軒の家しか建っていなかったところに三軒の家を建てているものだから隙間もほとんどなくびっちりと建っているのだけれど、その息苦しさを感じさせない気持ちの良いできあがりになっていてとても良かった。
久しぶりの中華街での家族食卓は美味しい料理だった。もう姪っ子も43歳になったと聴いてたまげた。
そこへ甥っ子家族もやってきて久しぶりに実家の家族が全員集合した。
白寿
うちの妻(さい)の死んだおふくろのお姉さん(要するにうちの妻のおばさん)というのが健在で、今でも実家の店に出ている。古いお客さんからは「どうぞ来年もいて下さいね」と云われたりしているのだけれど、来年で満99歳になる。白寿である。
子どもを三人育て、その孫は7-8人になるがそれがまた頑張って子どもを育てていて曾孫が全部で多分10人以上だろう。その中にはベルギー人との国際結婚組もいる。
戦前に旦那が弟と始めた商売も戦争で生き残ったその弟夫婦とともに広げてきた。今や生き残っているのはこの来年白寿を迎えるおばさんだけである。それも、全然ぼけてもいなくて、「指先が痺れてぇて、困るよぉ」というくらい。「もう食べるものを考えるのも面倒だよ」と云っているけれど、それが多分良いんだろう。マンション住まいは階段もなくって運動にならんと嘆いている。普通だったら階段がなくて良いよねぇと云うところだ。世の中元気な人はいくつになっても元気なんである。こっちが先に逝きそうだ。