大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

茶を点テル


立礼席の為の打合せをしてきました。

お茶事のフォーマルな席は茶室で行われますが
最近では大勢の人をもてなすために都合の良い
椅子に座ったままでする為のお茶事用の設えを、
立礼席(リュウレイセキ)と言います。


今回は由緒ある旧家で執り行われる立礼のために
若手の家具屋さんに白羽の矢が立ち、
一緒に仕事をすることになりました。


イメージに近い桜の板を八方探していただき
サイズと程よく皮の付いたお目当てのものが見つかりました。

小さなもののデザイン作業は楽しいのです。
現物を見ながら、実際にこのあたりを削ってとか、見せ方を考えたり。


施主の方に説明する場合も
現物にチョークで白い線を描き、イメージしていただきます。
釜の位置はこのあたりに、このくらいですよ〜…みたいな感じです。



帰り際に施主さんが若い建具屋さんに「宜しく」と挨拶を交わした際
「こちらこそ、この仕事をさしていただき光栄に、誇りに思います」
と言っている姿を見て、
こういった大勢の職人さんに、
私達の描く、一本一本の線が具現化されているのだナァとしみじみ思いました。

いつかこの立礼でうまい茶を飲みたいものです。
心も潤った打合せのひとときでした。

ゆあさ