鶴見俊輔『思想をつむぐ人たち』

晴。
鶴見俊輔『思想をつむぐ人たち』読了。河出文庫鶴見俊輔コレクションが始まった。さて、本書であるが、個人的なことだけ書くと、本書から得るものはあった。読み始めたあたりはネガティヴな思いもあったが、読んでいくうちに次第にそれも消えた。これはこれで、ひとつの個性だと思う。この人は、自分にないものをたくさん持っていると感じた。

仕事場で彌永昌吉を読む。

テレビで池上彰が今の領土問題について解説する番組を見たのだが、基本的な知識(主に歴史)をわかりやすく教えてくれて、まったく感心した。この程度の(なんて云ったら言い方がわるいかも知れないが)解説が、他では(テレビでも新聞でも)ほとんどないのが情けない。ニュースに出てくる専門家の言っていることなど、こうした基礎知識に比べれば、いい加減でカスみたいなものであることがよくわかる。ああいうのは、刺身のツマみたいなもので、ただニュースを彩っているに過ぎない。しかし、日中国交正常化に関して、田中角栄が完全にポジティヴに語られているのには驚いた。それはまったく正しいわけだが、そういう時代になったのだな。やはりネットの影響だろうか。
2012年夏・秋_61