ボランティアの活動報告(第3班その①)

※4月21日13:00 一部訂正しました。
昨日ボランティア活動を終えて岡山へ戻って来られた先生より活動報告が届きました。

◎中国ブロック第3班【4/14(木)〜4/19(火)】4名(岡山2名)その①

4月14日
19:00   東京(四谷)日薬事務所 集合
4月15日
8:00   東京出発
14:00頃  宮城県薬 到着
16:30頃  石巻高校 到着
19:00   ミーティング 明日の予定を決定
      岡山2名、広島1名 ヤンマー仮設診療所に決定

※右は打ち合わせの風景



※右は石巻高校(集会所、宿所、食堂、OTC在庫室兼用)


4月16日
6:00   起床
6:45   全員の写真を撮る(万が一の場合の確認の為)
 近くの公園へ散歩、山の上から津波の惨状を見る。途中自衛隊のお風呂「希望の湯」を発見。
8:00   出発
8:30   渡波小学校到着
9:00   医療チームのミーティング
 新規参加者自己紹介
 注意事項 腐った魚を処理しているために外傷が多く発生すると思われる、など。
9:30   ヤンマー仮設診療所着
      (ヤンマー営業所の2階の一部を間借り)
 医療チーム 鹿児島大学産業医科大学高知大学
 2名ずつ、下記を担当
 ◆OTC、日赤調剤薬品の服薬指導、待合室での診察の調剤・服薬指導
 ◆診察室での調剤・服薬指導
12:30頃  交代で簡単な昼食(水、アミノガレット)
※14:00頃まで活動
  受診患者数 約30名
  内訳 日赤に調剤依頼:8名、現場で調剤:20名、他OTCのみ
  三日前に受診された患者様でメロンパンチーム(日赤)に依頼した処方の投薬指導
  清掃をして終了
15:15   渡波小学校で夕方のミーティング
      確認事項等連絡
15:45   渡波小学校出発
16:30   石巻高校着        
※ナビに従ったため街中を通る。
 がれき撤去で道路に重機がいるため片側通行で非常に渋滞。
 また地震による地盤沈下で冠水している道路がいたる所にある。
 今後一番海際の道から直角に石校方面に向かう道を選択すべき。

19:00   夕食(サンマの缶詰、ピリ辛スープ、五目野菜丼&チーズカレー、タンカン、コーヒー)
※右は食料品庫


20:00   ミーティング
      明日はOTCをしっかり避難所に配り、様々なニーズを探る
      行先:北上川以北、岩手県以南の小さな避難所

(今後の要望)
◆各医療チームは薬を持ってきている。薬剤師会も緊急薬品を持参するべきでは?
 例:産業医科大学  内服46、外用31、注射14、物品14
◆各チームの薬品はトランクや段ボールで持ってきており、探すのに苦労する。
 出来れば段ボールなどで現地にて作成できる即席薬棚を開発できないか?
 もしくは移動可能な薬品バッグ兼薬品棚のようなもの。
 能率が非常にアップすると考えられる。
 これこそ薬剤師の職能を多職種にアピール出来る事ではないか?

4月17日(日)
4名でOTC・医療掘り起しチーム活動(3名は富山のテイカ製薬)
 今日の目的:北部の避難所を回り、必要なOTC薬の配布と医療のニーズを探ること。
★小滝避難所
日本登山医学会のDrが来ているので、特に用事はないとのこと。前回に依頼されたOTC薬をお渡しする。
★大指林業センター
風邪薬、頭痛止めの要望あり。お年寄りの為、小児用の頭痛薬を1錠から2錠で説明する。
5名の医療用薬剤のニーズがあった。服用薬剤等を記録し日赤医療チームへ引き継ぐための書類を作る。
★相川子育支援センター
OTC(咳)の要望ありお渡しする。
★白浜壮
アトピーのお子さん用の日焼止めの要望あり。
★長観寺
夜に咳が出る方が2名、皮膚の痒みの方が1名。必要な薬剤をお渡しする。
数日前まで50名、学校が始まったので現在40名。数日後に移動の予定。
★はまぎく避難所
皮膚の痒み、手荒れでケラチナミンの希望あり。尿素軟膏と手荒れ軟膏をお渡し。
★北上中学
約500名の避難民、医療チームが常駐しているので薬剤師の援助は不要。
     
15:00頃 石巻高校帰着、報告書制作
20:00  ミーティング 
     明日の予定(明日の担当:ヤンマー診療)
◆本日同行した3名(テイカ製薬)は日頃臨床の場にいない方だが、人間性豊かで本当に気持ちよく一緒に仕事をさせていただいた。もちろん第一の目的はボランティアだが、他県から来た方々との交流もまた得難いものだと感じた。
◆避難所で聞取りをした医療用薬剤のニーズの取り扱いについて。残念ながらまだFAXが機能していなく、聞取りした患者さんの服用薬剤等の詳しい情報を往診グループに明細に伝える事が出来ない。
メール等を使い文字情報としても伝えることを目的としなければ、ただ単に「あそこの避難所に薬が必要な患者さんがいる」では薬剤師の職能も認められないし、モチべーションも下がるのではないか?
こういう非常時こそメール・携帯メールなど非常時でも使える情報手段を構築するべきではと感じた。
ただ現時点では薬剤師側が通信手段を構築しても、受け取る側の準備が出来ていない。医療サイド、もしくは管轄側への通信手段の提案や提供は薬剤師の職能のアピールにもなると思う。
石巻高校にはPC1台(ネット可)、プリンター1台のみがある。数日間は個人がコピー機を持ち込んでくれていたが、基本的には無し。
事務効率を上げるためには、PC(ネット環境も含む),プリンター、スキャナー、コピー機が必要不可欠と考えられる。

4月18日(月)
6:00   起床(カップラーメン、りんご)
6:45   全員の写真撮影

7:00頃  今朝から来た山形県の薬剤師を日和山公園に案内。山頂から実際に車で通るルートを説明。


8:00頃  出発

9:00   渡波小学校で他の医療チームとミーティング
      ヤンマー仮診療所へ向かう


 ◆今日の担当
  主にお薬引換券持参の方への服薬指導
  小売商品希望の方へOTC配布
 OTCを棚代わりの机に並べて準備をする。
 途中不足のOTCがあり、石巻高校へ取りに帰る。
 湊中の避難所から依頼の薬品があり、途中配送。
13:00頃  簡単に昼食
14:00頃  待合室兼OTC陳列の部屋の中に組立式の診療室を作るとの事で作業が始まる。
 OTCの陳列の移動と商品数が無駄に多く朝・夕の陳列、片付けが大変なので多すぎると思われるものは石巻高校まで持って帰るように整理をする。
本日は午前で終了の予定だったが、人数が少ない為最終まで業務、終了後のミーティングは一日フルの方に依頼をして石巻高校に帰る。
16:00   急いで荷物をパッキングして出発
23:00   東京 四谷のホテル到着
◆ヤンマー仮診療所でのこと
待合室にいる他の医療チームのスタッフ(ナース、事務)が、多少手持無沙汰の事もあり、来た患者さんに自分たちでOTCの対応をしたり、相手が必要と言わないものでも何でもあげようとする。
薬剤師の手が足りない時は仕方が無いが、基本的には薬剤師が対応したい。薬剤師の仕事であるし、在庫にも当然限りがあり、コストもかかる。
そして一番重要なことは来られる被災者の方はいずれ自立が必要であるという事。必要な薬品を適正な説明とともに差し上げるのは当然のことだが、なんでもかんでもあげることはボランティアでもサポートでもないと思う。しっかりサポートをしながらも自立や自制へ方向づけるのが大切ではないか?
私たちの行動は被災された方の今後にも責任を持たないといけないと思う。
渡波小学校での医療チームでのミーティングでも「災難医療チームの目的は復活しつつある医療機関へ患者さんを引き継ぎ、撤退の準備をすることである。それが種々の事情で未だ出来ない患者さんに対しては当面はフォローを続ける」との明確な考えを持っていた。
同じことは避難所回りでも感じた。
必要としていないものまであげようとせず、物が足りているのであれば、トイレの消毒など環境衛生や感染予防等についての指導などに重点を置けば良いのではと感じた。
ほんの数日しか滞在しない人間が失礼なことを承知で書かせて頂きました。
◆各医療チームはそのチームのウェアと医師、看護師などと大きく書いたベストを着ている。
薬剤師会でも他職種や患者さんから薬剤師と直ぐ解るウェアが必要ではないか?
今回は宮城県薬剤師会のグリーンのウィンドブレーカーを全員で着た。
出来れば全国共通のカラーで、全国の薬剤師が何処に集まっても「薬剤師が来て頑張っている」ことが解り易いのでは?

【参加しての感想】
薬剤師はモチベーションが高く、非常にまじめで有能な職業集団という気がした。
ただその職能を他職種や一般の方にアピールするにはもう少し工夫が必要と思う。
また業務内容については、殆ど全員の滞在日数が数日という中でリーダーや参加が後へ後へと繋いだ賜物と言える位素晴らしい内容になっている。
勿論リーダーさえも、ごく簡単な引き継ぎを受けてなるケースが多いとの事。
今回数日という短い期間であったが、全国から集まった方々と心地良く石校で滞在出来、業務にも集中できたと思う。
これは「被災者の方の為」にという志が共通だったことが大きいのではないか。
自分にとって貴重な経験をさせて頂きました。
被災地の方々のより早い復興をお祈りすると同時に、お世話になった沢山の方々に深く感謝いたします。

詳細なご報告をいただきありがとうございました。

■本日、JMATおかやまのメンバーとして当会より1名が被災地に向けて出発しました。