翡翠の爪、夢の色。

先日図書館で「へんてこりんな植物」(藤森優香、文 パイインターナショナル)という本を借りた。巻末に、この本に載っている不思議植物に会えるかもという植物園がずらりと記載されていて、行ったことのある夢の島熱帯植物園にもこんなのがあったのかーと見ていたところ、ヒスイカズラもあったのに気付かなかったと思い、開花時期を調べると、何と丁度桜の時期3月〜5月、しかも小田原フラワーガーデンでは2016年度今週末見頃だとブログにアップされていた。これは見に行きたい!
本には載っていなかったが、ここなら確実にヒスイカズラだけは見られるはず。
久しぶりに往路に新幹線を使い、小田原へ。
大雄山線へ入り駅でどーんと天狗に挨拶してから乗車、飯田岡まで。

ここからは少し坂を登って小田原フラワーガーデンへ。途中の坂道にも野いちごが咲いていたり野草雑草がみっしり繁茂していて、楽しい。

まるで春といった色彩に、桜ちらちらと舞い散る中、久しぶりの上り坂に汗して園内へ。
まずはお目当てのヒスイカズラを求めて温室から。

おぉ!早速ご対面。ガーデンとしても推しの花となっているらしく、ポスターにフォトコンテストまで。
まず、こちらがつぼみ。魔女の爪がぶら下がっているような感じ。

花が開くと、こんな感じ。

感動。これは、あれだ、ミク色だ!翡翠に孔雀にインクのターコイズ。もの凄いインパクトのある花だ。

藤棚のようにぶら下がる形状だが、マメ科らしい。つぼみの爪のような部分が伸びて裂け、反り上がって角のような花弁になる。
落ちた花も水に浮かべると楽園の色。


本当に不思議なガツンとくる色合いだ。
他にも、「へんてこりんな植物」に載っていた植物を発見。
まずは、「オクナ・セルラタ」通称ミッキーマウスツリー。

まだ実が黒く色づいていなかったが、色づくと某ねずみにそっくりになるらしい。
「ビガクシダ」

大鹿の角に見えるので「麋(大鹿)角羊歯」らしい。
おそらく「パイプカズラ」

がくの部分が開く前のようだ。
「ジャボチカバ」

本には花が咲いている様子が載っていたが、こちらは実がなっていた。幹に直接実がみっしりと付くらしい。実はぶどうとライチの間のような味だとか、気になる。
本には載っていなかったが、気になった不思議植物たち。
「ツンベルギア・マイソセンシス」

ヒスイカズラに似ているが、別種。
名前は忘れたけれど、ふわふわのしっぽ状の植物。

最後にヒスイカズラの花を一つずつもらって、温室を出る。

ガラス細工のような繊細さ。
今回は本で調べて現地へ向かったわけだが、本で見た時の「こんなのがあるんだすごいな」を超える衝撃を現物から貰うという素晴らしい1日だった。見に行って、良かった。
ここの温室は、植物一つ一つへの説明書きがとても丁寧。どういう特徴なのか分かりやすく、面白い。そして、触って良い植物には「やさしく触ってみて」香りの特徴的なものにも「においを嗅いでみて」と印象に残りやすい。説明書きを辿っていくだけでも楽しめる。
温室の規模としてはさほど大きい訳では無いが、種類の豊富さ、また温室の外のガーデンが広く開放的で水場もあり、ゆったりと1日過ごせる。
また来たいと思わせる植物園だった。