転職のお知らせをするはずだったのですが

実は、先週より3年間お世話になった(株)パラドックス・クリエイティブを円満に退社させていただき
(株)SCRAPで働いております。1日も休みを入れずに転職してしまった結果、現在進行形でお仕事をしていた方以外への
ご報告が遅れてしまっており、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
週末はゆっくり時間をとって、お世話になった皆様へお手紙を書こう。そう思っていた矢先におこった大地震でした。



ちょうどその時わたしは渋谷の小さなビルの9階で、週末のイベントに向けての準備をしていたのですが
少しずつ「あれ?おかしいぞ?」というレベルの揺れがやってきて
隣のギャルショップの店員さんの悲鳴で事態の深刻さに気がつきました。
商品は全部ばたばたと倒れて、エレベーターも止まってしまったので、非常階段から避難。
一緒に降りたギャルに「どうしてそんな落ち着いてるんですか?怖くないんですか?」と言われたのですが
なぜか私の頭の中には色んな漫画や物語のシーンがぐるぐるとしていて
落ち着いている、というよりは不謹慎だったのだと思います。



その時は事態の深刻さにあまり気づいておらず
渋谷のビルが一斉に営業を停止したこと。交通機関が麻痺したこと。
そして歩いて帰って見たテレビの映像や多くのツイートで
やっと現実を理解することができました。
心配になって、色んな人に連絡をしました。
家族や、関西の友達、SCRAPメンバー、パラドックスのメンバーからも連絡をもらいました。
夜はみんなが家に集まってくれてとても安心しました。




私なんかが怖がる資格はないくらい、世の中は混乱していました。
特に東北地方の映像は、直視できませんでした。
報道されないという茨城や浦安の方々のツイートにも何も出来ず
不確定な情報を広めたくないので、むやみにリツイートも出来ず
著名な方々が多額の寄付をしたり、リーダーシップをとる方が瞬く間にプロジェクトを動かしている様子を見ながら
節電と募金くらいしか出来ない自分にがっかりした気持ちにもなりました。



インターネットでの情報は、便利だけれど、難しいものです。
善意で節電を呼びかけるポスターを作っても、それが遊びにしか見えずに気分を害する人もいる。
その時、必要なものは人それぞれなので
こういったポスターは、被災していない地域の人々が心を一つにして
被災地にパワーを送るために必要なのかもしれない。
でも、作っている人の自己満足なんじゃないか、と言われると否定も出来ない。
この状況化で「自分に出来る事を、何かしたい」と考えている人はいっぱいいるはずで
そのひとつひとつが形になった結果なのだとは思います。



一方で、自分は何もリスクを負わずに
「○○社は○○を提供すべきだ」などとツイートしている人にも全く賛同できず
(もし被災地からの叫びがRTが重なるにつれ、発信者がずれてしまっていたらすみません)
だからって自分も何か役立てる訳ではないので
そのツイートも、みんなが自分に何が出来るかを考えた結果だし…
と世の中に何のプラスにもならない憂鬱を抱えてしまっていました。



多くの人がそう言っているように
今は、何かあったときに動ける力を蓄えるために
丁寧に生活をし、睡眠をとって、ご飯を食べて、電気を使わないようにしながらも
明るい生活をすることが一番だと思います。
そして、情報を判断する目と耳を持つこと。
最前線で動いてくださっている方への感謝を忘れないこと。
被災地の人の気持ちを、多くの人の気持ちを、想像すること。
その上で自分が何ができるかを考える。
一時的な情報に流されるんじゃなくて、継続できることを
何年先の未来に少しでも明るい希望をもたらせることを。




できるだけ、被災地の企業でつくられている商品を買うとか
被災地に家族がいる友人を気遣うとか
そういったことでもいいと思います。
悲しいけれど、今の私にはそれしかできないんです。
そして、近い将来それ以上のことが出来るようになるように
自分の日常を、目の前の仕事をせいいっぱい頑張るしかないんです。

その上で、自分に何が出来るかを考えてみよう。





長々とすみません。
今この瞬間の気持ちを忘れないために、文章にしました。
報道が少なくなって、日常がもどってきて、色々な思いが風化してしまうのが一番怖いので。
そして仕事に忙殺されて、そうならない、と自信を持って言える状態じゃないので。

最後になってしまいましたが、今回の大地震と大津波でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、
ご遺族の皆様に心からお悔やみ申し上げます。また、負傷された皆様、家を奪われた皆様へ、お見舞い申し上げます。



転職のご挨拶は、落ち着いたらまたあらためて。
とりえあず、自転車を購入したので、事務所には無事行けるはず。
明日からがんばって働きます!