不必要の必要 その十一

 さて、話がどんどんと水面をスキップしていくがごとくに、トンデモない方向に進んでいるのだが、少しだけまとめると、時計が停まったことで、時計があまり必要ではないことに気づいたことから、ケータイも今ではほぼ時計として活用するのみ、ツレのスマホはゲーム機となっていることに続いて、音響機器のドミノ現象的故障に触れてその機能の展開を語りつつ、少し方向転換して、学生時代のオリエンテーション時の担当教授の「本は読まなくてもいいから、買いなさい」という不思議な話から、本の存在意義を語ろうとしながらも、つい昔話に進んでしまって、今はいにしえの図鑑『宇宙旅行』から、火星の運河の錯誤から木星観察に話題が飛んでしまっているという事態なのだね。



 ふう、なんともかんともでかるとも、こういった話の進め方はまさにおばさんの立ち話的で、もうしわけないが、読んでいただいている方も、ほぼ身内のようなものだと想像してしまうので、お許されませ。
 で、そうそう、木星というのは、手頃な望遠鏡で観ても、縞模様と大赤斑の移動は確認てぎるし、なんたってガリレオ衛星の動きは楽しい。さらにその衛星の影が場合によってだけど木星面に落ちいてるのも観測できるのだ。
 ということなので、高校時代の私は大接近の火星をむりくり観つつも、木星のスケッチにせいを出したのだった。そこで迷うのはどこまでくわしく描いたらいいのかだった。そして私はもしかすると先人の轍を心ならずも踏みそうになるのである。