芸歴四十年

●ちょっと前京都で殺害事件があった。小学生を殺した犯人の自殺によって終わるという後味の悪い事件で、そのやりきれなさとともに記憶している人はまだ多かろう。


でもアチシ、この犯人の偽名がアレでねえ。てるくはのるてアンタ。前に亭号付けたら漫才師やんか。昭和てるくはのる。海原てるくはのる。はなてるく・いまはのる。ねえ。名前の情けなさと事件のどんよりさがどうもそぐわなくて、この事件についての印象にはいつも戸惑いがある。


…という感覚を思い出したのさ。「いとうのいぢ」の名前を見て、どうももやもやした感覚があるなあと思ったらこれであった。ああ、「のいぢ・こいぢの片割れ」みたいな名だなあ、と思ってしまったのだ。


●以下の文章に意味は無い。のいぢこいぢ。どんな芸人だろうか。多分正統派しゃべくり漫才なんだろうなあ。揃いのダークスーツがトレードマークで、ネクタイの色だけ違うとか。ちうことで、画像はのいぢ・こいぢの想像図です。



左・伊藤のいぢ、1946年群馬県生まれ。方言を使った独特のボケが特徴で、こいぢの厳しい突っ込みをのらりくらりとかわす。演歌歌手を目指して上京してきた経歴を持ち、業界内でも美声として知られる。デュエットを含み10曲以上のシングルを出している。

右・谷川こいぢ、1942年旧満州ハルビン生まれ。甲高い声の早口で、しばしば両手を振り回すほどの大声になる突っ込み役。噛まずに長台詞をまくしたてるスタイルで人気になる。1991年に解離性大動脈瘤を患い手術、1年後に復帰。当時「奇跡の復活」と言われた。


繰り返しますが、以上の記述に全く意味はありません。御留意。

武装錬金/蒼天の拳

武装錬金2話。日常性を保ったまま非日常の生活が始まるが、敵の魔手は身内へ、さらに斗貴子師匠へと伸びてくる。主役を進歩させるための試練を「メンターを救う」ということで表現するのは自然な流れで上手いな。あと、ちょうちょかぶったヘンな人出てきた。


まあ、元凶たる寄生物の行動パターンがいかにも「物語を作るための仕掛け」っぽいのはご愛嬌ではある。脳に達するまで一週間の期限、ってのは見た目にも苦しい気がするな。そのおかげで斗貴子さんのへそが見られたりしたので良いのだけど。うん、それでいいよ。うん。


へそに限らず眼福シーンが多くてよろしい。昇り階段で妙に有機的に動くスカートが面白かったが、一番良かったのはヒロインの首筋のキズを見て照れるってシーン。新鮮でいいね。


コメディ部分のシナリオもテンポ良くて楽しいし、どこの勇者王作品かって位の田中公平節も燃える。このままストレス無く視聴継続していけそうだすな。


●新番組・蒼天の拳。原作はチラっと見たことある程度。前シーズンの財前丈太郎と似たようなもんだろうなあ、と思ったらほとんどその通り。流石に絵の質はずいぶんマシになってるが、それでも少々怪しい作画はあり。ま、ネタになるほどではない。


ちうことで北斗の拳のプリークェルである。今回は状況説明とキャラの紹介程度で、アクションシーンやドラマ的な見せ場はあまり無い。さっきも言った通りハコとしては前作財前と似たような立ち位置であるが、こっちの方は前世紀初頭の中国といういわばファンタジー世界が舞台なので(あの描写でファンタジー違うとは言わせんぞ)、嘘臭い描写や古臭いハッタリもそれほど違和感が無い。


古臭いハッタリと書いたけど、それは我々が原哲夫作品に求めているものなのは確か。人間離れした異形キャラとか子供っぽいデフォルメ性格とかね。そういう意味ではちゃんとしたデキと言えるのかもしれんが、しかしあの溥儀はええのんか? アニメで見るとただのバカだぞ? 一応「これはフィクションです」テロップ流してたけどさ。あー、古臭いで言うと車のブレーキ音にのけぞった。30年前のドラマでよくあった「キキャーッ!」ってヤツですよ。懐かしいなあ。


懸念してた山寺宏一ケンシロウだが、流石に芸達者国から芸達者を広めに来た人だけあってなかなか見事。あたたボイスもソツなくこなしている。ちうかクラークケント的な二面性を持ったキャラだし、このくらいの演技力がないと無理ではあったか。


うーん…しかしどうも引っかかりに乏しい出だしではあるなあ。今川泰宏がシリーズ構成とあったが、その良さが花開くところまで見るかどうか。保留。