Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

女子シングルスカル:

準決勝A組:
 8時50分。200m付近。榊原が徐々にリードし始めている。

この組は予選トップの榊原と、予選・敗復上がりの下位選手の対戦。ということでレースする前から榊原が余裕で1位上がりすることが予想された。
結果は予想の通り、榊原の圧勝。榊原はこのレースで、決勝に備えてスタートダッシュすることをトライしている様に見えた。
興味深かったのは2位で順位決勝進出狙いの戦い。スタートでは金沢大学:柿島が飛ばしたが、漕ぎに力みがあり2Q以降失速。
これに対してベテランの四神会:鈴木が徐々に柿島との差を詰め、1000mで捉えて抜き去った。

準決勝B組:
 9時02分。750m付近。

この組も予選タイム2位の大石と、予選・敗復上がりの下位選手の対戦。大石も楽勝で一位上がりすることが予想された。
結果は予想通り、大石がスタートから一気に差を広げ、500m過ぎには既に大きく水が空いていた。
明日の決勝は、スタートから大石が一気に飛び出し、逃げ切りを狙い、これに対して榊原が大石を追走する展開になろう。勝負が決まるのは4Qになると思われる。

準決勝C組:
 9時10分。200m付近。序盤は東北大:西原がリード。

この組は、予選タイム3位の日体大:坂井に、東北大:西原がどこまで粘れるかの勝負。
予想した通り、序盤は西原がダッシュしてリードしたが、2Qに入ると力みから疲れが出て、坂井に抜き去られた。
西原は体力はあるがキャッチの蹴り戻りが大きく有効レンジが短いところがある。もっと低レートUTで漕ぎの精度を上げたい。

準決勝D組:
 9時20分。200m付近。序盤は仙台大:玉田が飛ばしてリード。

この組は、敗復廻りでトップタイムを出した日体大OG:高橋がトップで決勝進出と予想した。しかしながら、高橋はドライブに切れがなく、なかなか2位以下に差を広げる事が出来なかった。
特に1250m以降は徐々にドライブが落ち、2位を走る大阪市立大:廣内に差を詰められ、1500mで並べれ、抜かれてしまった。どうも高橋は体調が悪い模様。

明日の決勝は、大石が序盤でリードし、榊原が後半追い上げるという二人の勝負となりそう。

男子シングルスカル:

準決勝A組:
 9時32分。900m付近。荒川が2位以下に大きく水を空けてリード。
この組は誰もが予想した通り、荒川が圧勝。今日は1Qから良く飛ばしていた。
2位はレジェンド:武田。終盤に3位の若手スカラーに追い上げられたが、さすがベテラン、落ち着いて逃げ切っていた。
 9時36分。1750m付近。2位武田を追い上げる大学生スカラー2名。

準決勝B組:
 9時42分。700m付近。2位以下に水を空けてリードする遠山。

このレースも予選好タイムの遠山が安定して1位で上がる事が予想された。
結果は予想通り。

準決勝C組:
 9時50分。250m付近。序盤、若手スカラーが積極的に飛ばしていた。

この組は、予選タイム3位の明治安田:大河原が上がると予想したが、2位以下は混戦とみた。
1Qは、若手スカラー2名が積極的に飛ばしてリードしたが、2Qで大河原がこれを捉えて一気に抜き去った。後半は大河原が大きく差を明けて1位。
2位にはベテランになりつつある実力者:長田が入った。

準決勝D組:
 10時00分。200m付近。序盤は接戦ながら、U23日本代表の関電:武田が徐々にリード。

この組は武田と高校生:青木の一騎打ちと予想したが、やはりレース巧者の関電:武田が前半1000mで徐々に差を広げ、勝負を決めた。
こうレースだったのが2位争い。高校生:青木と瀬田漕艇クラブ:東田が水の空かない接戦を演じた。
しかし、最後は東田が力尽き青木が2位に入った。武田は4Qは力を抜きながら1位キープでゴールイン。

明日の決勝は、前半1000mは4名の接戦を見る事が出来ると思うが、後半は荒川が一気に差を広げて勝つと予想。2位争いは接戦となろう。

昼休みはシングルスカル艇の確認:

11月9日から開催される全日本選手権で、小樽商科大の臨時コーチを引き受けることになった。
北海道のチームであり、レースで使用する艇やオールは戸田界隈の艇庫に保管している艇・オールを使用する。
出場するクルーはW1X、M4+、M1Xの3クルー。
特にW1Xの選手は国体の北海道代表選手であり、小樽商大としては久々の逸材。大学からボート競技を始めた選手であり、まだまだこれからの選手だが、新人戦でレース経験を積んでほしい。
という事で、彼女が試合で使用する艇の候補を2艇準備し、この2艇の状況を確認した。

桑野製 A2艇:
小樽商大が戸田で保管している唯一の1Xレース艇。先ず銘板シールを確認:
 2004年 桑野製A2艇。設計体重72.5kg、艇重量:14.2kg
男子軽量級選手用の艇だが、65〜75kg程度の選手にピッタリの艇。艇重量も14.2kgと下限重量に近いので良い。
 船齢14年だが、戸田遠征時にしか使用しないので老朽化はしていない。
 ストレッチャーが外されていたが、近くに置かれていた。
今回のW1X選手は大柄な選手なので、この艇が丁度良さそうだ。
ストレッチャーは、靴のサイズが大きく、また、ボロボロになっていたので、今回、靴を取り換えることにした。

Swift生 Elite艇:
2011年に三菱重工ボート部が購入した艇。マスターズの女子スカラーも使える様に少し小型の船型を選択したもの。
先ずは先ず銘板シールを確認:
 2011年 Swift Elite艇。設計体重57-70kg、艇重量:14.76kg
設計体重面では、上記の桑野艇よりこちらの方が良いが、アルミウィングリガー艇で艇重量が少々重めで桑野艇より0.5kg重い。
また、マスターズ女子スカラーが使用してきたこともあり、艇の出し入れや、船台への着岸などのハンドリングの際に細かな傷がいくつか付いていた。
 Swit製ウィングリガー艇。つばめ号の舳先
 船尾
 船底
 ストレッチャー廻り
 シートとレール

2艇共、まずまずの艇ではあるが、桑野艇の方が少し軽いので今回は桑野艇を使用する予定。
乗ってみて何か不具合があれば艇の変更も考えることとする。

午後のレース観戦(エイト艇の性能差):

上記のシングルスカル確認及び昼食後は、午後のレースを観戦した。

やはり面白かったのは男子エイトの準決勝。
番狂わせが起きたのは準決勝A組。
順当なら、NTTと明治安田が1位、2位で決勝に行くと予想したが、東レが後半で明治安田を追い上げ、ラスト250mで一気に明治安田を差し切った。
タイム差は僅かに0.09秒と写真判定だった模様。

東レが使用した艇は、FilippiのF42型。
準決勝に進出した8艇の内、7艇はEmpacherの84型。

東大でもFilippiのF42型とEmpacherの84型の両方を所有している。
2年程前に実力の拮抗したエイトクルー2クルーを編成し、各々F42型と84型を1週間交代で使わせ、ほぼ毎日、並漕練習をさせた。
その際、艇を入れ替えた際に勝敗が入れ替わる結果が出た。
即ち、FilippiのF42型の方がEmpacherの84型より、2000mレース換算で1艇身以上速い結果となった。
ということで、それ以降、東大では平均体重73kg以上のクルーはFilippi F42型を対校艇として使用していた。
(平均体重70kg以下の軽量クルーはSykesの軽量級船型のM40型を使用)

今日、東レ(Filippi)が明治安田(Empacher)をラストで抜いたのは、艇の船型性能差によるゲインもあったと思われる。

因みに、この5年ほど、軽量級、インカレ、全日本などのエイトレースでF42型を使用した結果、以前、Empacherを使用していた頃より好成績を向上したクルーが多いことも、Filippi F42型の高性能を証明していると考える。

F42型を使用して成績を向上させたチーム:

今後、エイト艇を購入しようとするチームは、一度、F42型を試乗して、その性能を確認してみてはどうだろうか?

以上