藤岡真『ゲッベルスの贈り物』

 面白い、がちょっと物足りない気も

ゲッベルスの贈り物 (創元推理文庫)

ゲッベルスの贈り物 (創元推理文庫)

あらすじ

 謎のアイドル<ドミノ>を捜すことになってしまった「おれ」藤岡真はドミノの周りに渦巻く陰謀に巻き込まれていく。
 一方人気俳優や数学者など、著名人を次々殺していく「わたし」。二人の接点である「ゲッベルスの贈り物」とは一体何か?

感想

 謎のアイドル・ドミノを捜すというところから、どんどん変な方向に事件が膨らんでいく。全体としては謀略小説といった感じで、その中にいくつもの本格っぽい仕掛けが施してあるという感じだろうか。
 その仕掛けに関しては、ある程度は読めるものの、トリックを詰め込めるだけ詰め込む姿勢は非常に好きだ。物語もちょっとアブナイ登場人物たちのやりとりが非常に面白く、楽しく読めた。
 ただ傑作というには弱すぎるかな。こういうの大好きだけどね。★★★★☆