「風を‥風を拾うんだ‥」

 すっかり、涼しくなってきた名古屋地方。このまま夏がフェイドアウトしていけばいいのにと、ツラツラ更新です。夏の甲子園は、日大三高が優勝しました。個人的に日大三高には思い入れがあるチームなので、自分の母校のように嬉しいです。しかし、今年は鳥人間コンテストも熱かった。これは、毎年熱い奴が出てくるんじゃないかと期待して夏を待ってしまう。(夏は嫌いなんですけど)
 さてさて、お盆休みはゆっくりと実家へ戻っていつも通り飲んだり、映画観たりとそこそこ充実した休暇でした。8月既に4本観たので、まとめてみます。ネタバレありです。




まずは、大森(就活ぶりだった)のキネカ大森(西友の中だったかな?お酒がたくさん置いててびっくりした)にて、「ブルーバレンタイン

 結婚7年目の夫婦のお話です。ブロガー含め、友人の評価も高かったので、凄く気になっていた作品。帰省時期にちょうど、大森で上映との事で観に行きました。(結構、年齢層高かったです)感想はと言うと、始まりから終わりまで、しっかり飽きずに観れました。エンドロールまでいい余韻に浸れた佳作。ストーリーは、3人の飼っている犬がいなくなってしまって、その犬が、死んでしまった事から始まります。夫婦は凄く暗いムードになるんですけど、夫がそのムードを明るくかえたかったんだろうけど、「いい考えが思いついたホテルへ行こう」なんて言って、ラブホに向かうのです‥‥
 まあ、さくっと内容まとめると、倦怠期のフリーターのとーちゃんとナースやってるかーちゃんが、過去のいい思いでを振り返りながら、最後に離婚するわ!って言う話なんだけど、男目線からすると、物凄く切ない。エンドロールで号泣した人の気持ちは何となくわかります。しかし、僕は、自由人の夫には共感出来ないし、アバズレ女にも共感出来ない。なんとなく、勢いで結婚して、まーそーなるでしょ〜となるようになってしまった2人なんじゃないでしょうか。(だいたい会ってどのくらいで結婚したんだ?)でも、あの子供には、幸せになってほしいですねー。多分、かーちゃんのほうに引き取られるんじゃないかな。(映画では、とーちゃんに懐いてるように撮っていたと思う。それが、また切ないんです)
 うまーくまとまっている、いい映画でした。

次は、錦糸町錦糸町スカイツリー効果でかなり変わってた)のTOHOシネマズ錦糸町にて「ツリーオブライフ」

 カンヌ国際映画祭 パルムドール賞受賞作

 この夏一期待に期待を膨らませていた作品。カンヌのパルムドール賞受賞作品。なんたって、あの予告の破壊力は凄かった。予告観て、これは今年一候補だわ(しかし、何となく予告に違和感を感じていた)といきこんで、映画館へ。僕の反省点は、監督がテレンスマリック!だったって事と、パルムドール賞受賞作品だったって事をもっと重要に考えていれば良かった。
 予告だけ観ると、主人公(ショーンペン)がとーちゃん嫌いだったんだけど、大人になってそのとーちゃんがわかって和解!感動!に一見みえるんだけど、ちょっとまった!それは違うぞと!まあ、あながち間違っちゃいないんだけど、ちょっと面を食らってしまいました。
 だって、あの予告からは、ビックバン、宇宙のイメージショットなんて誰が予想出来るかと。恐竜まで出てきたのは、ちょっと待ってくれとギャグか、ギャグなのかってクロスカウンターでぶっ飛びました。確かに、言いたい事は表現してるのかもしれないけど、ちょっとあの予告はないんじゃないの?と配給会社叩きたくなりますよね。タイトルが「ツリーオブライフ」すなわち生命の樹旧約聖書なんだけど、そこもしっかり考えるべきだったなと反省。まあしかし、テレンスマリック氏の十八番の木漏れ日ショットとか、音楽は迚素敵で良かったです。テレンスマリックってニューワールドと天国の日々しか観た事ないんですけど、ゆったりと綺麗な作品を撮るイメージがあります。今回は、ゆったりってわけでもなかったけど、ストーリーがぶつぎりぶつぎりしていて、途中でイメージショット、木漏れ日ショット、綺麗な音楽、と進んでいくイメージ。「生命」を軸として、マジックアワー映像で酔わす。(酔わなかったけど)
 ブラピとショーンペン外して、シネコンで上映されなきゃここまで叩かれる事もなかったんじゃないでしょうか。DVDで観たら僕は寝てしまうと思うので、まあ観れてよかったってことで。


次は、新宿武蔵野館にて「未来を生きる君たちへ」 アカデミー賞 外国語映画賞受賞作

 久しぶりにいい映画だなーと思わせてくれた。テーマは、「復讐」、「暴力」。復讐は復讐を生むだけと、教えられてきて、復讐なんてすべきではないと誰もが心で思っているはず。しかし、理不尽に傷つけられる、殺される。自分がそんな目にあってるときに、法律?裁判?と冷静に考えられるだろうか?映画観てる中で、物凄く考えさせられてしまいました。世の中、正しい事ばかり行われるわけは、ないんです。
 内容簡単にまとめると、母の死によって、父親と何か溝が出来ている少年が転校先のいじめられっこを助ける?そのいじめられっこの父親は、難民キャンプで医者をやってて、母親とは別居中。それぞれ家族に問題を抱えた少年のお話。転校生は、絶対的に「復讐」がやどっています。確実に、歪んでいて、いじめられっこは、流されやすいタイプ。自分の救世主に、間違ってるよなーと思いながらも従ってしまう。いじめられっこの父親は、暴力反対主義、復讐なんてしないよ主義だけど、理不尽な現実に直視し、息子の重要な話も後回しにしてしまう。。
 観ると暗いけど、凄く考えさせてくれる。本当に正しい事はなんなのか。もう一度考えたくなるいい作品でした。

最後は、名駅のミッドランドスクエアシネマにて、「コクリコ坂から」(レイトショー) スタジオジブリ、あの悪名高いゴローさんの新作です。

 公開前から、気になっていたにも関わらず、批評家たちの厳しいレビュー、そしてあのゴローさん。という事で、ためらっていましたが、勇気を出してレイトショーへ。確かに、今までのジブリ作品から比べると、飛び抜けては居ないし、出生の秘密、学生運動と、特に変わったネタでもない。ただ、60年代の横浜、哀愁漂うカルチュラタンと、昭和補正に懐かしく(そんな時代に生まれてないんだけど)感じる事が出来たし、壮大じゃなくても、小さな箱の中にきちんと納められたいい作品でした。久々に気持ちのよい映画を観させて頂きました。ゴローの親父さんがどこまで手伝ったかしらないけど、海ちゃんは可愛かったし(観ながら、青春すぎてニヤニヤにやけてしまいました。変態です)、良かったんじゃないかな。