月人石

一月二日

今日は書き初めの日

乾 千恵さんの「書」の絵本



書き初めをしますか?

私の子どもの頃は習い事と言えば「お習字」「そろばん」が主流だったように思います。

そして、ちょっと洒落たところで「ピアノ」かな?

「オルガン」なんてのもあったね。何年前の話でしょうか…

最近の習い事はまさにカルチャーと呼ぶに相応しい、大人も子どもも区別ない感じですね。

スイミング、英会話、バレエ、体操、パソコンなどなど…子どもも忙しい時代ですね。

でもあまり習字というのを聞かない気がします。

筆に親しむ機会が減っているような気がするけれど、どうでしょうか?

墨を擦りながら、気持ちを落ち着ける。

辺りに漂う墨の香り。

集中力を高めて、真っ白な半紙の上に筆を下ろす。

あの特別な香りと筆を下ろす瞬間はいつまでも覚えています。

でも、ちっとも上手くならなかったなあ…


書、文、写真が一体となった静かで生きる力に溢れる絵本です。

私は「書」の良さがわかるほど高尚な趣味は無いのですが、

乾さんの書には人を引き付ける力が備わっています。

扉はとびらを、猫はねこを、風はかぜを感じさせてくれます。

ページを開くと左に書、右に写真と文があります。

扉、猫、風、音、馬、影、水、石、火、山、蟻、月、人の13の書と文と写真。

巻末にはその13の漢字がローマ字と19ヶ国の言葉で書かれています。

お習字をする時のように静かで気持ちが落ち着いてくる絵本です。

書き初めをしない人もこの絵本で書にふれてみてください。


外国の友人へのプレゼントにしてもいいかもね。


「月 人 石」


乾 千恵/書

谷川俊太郎/文

川島敏生/写真


福音館書店 800円



もじに ひそむ ひとの こころ