巣引きの  醍醐味 ( 卵から雛をかえす! )






カナリヤと主人のことをブログに書きましたが、

巣引きについては一寸一般的には、理解しにくい面も

あったのではないでしょうか?

それで、ちょっとカナリヤの巣びきについて、書いておきたいと思います。

 嘗て、主人と郊外の田舎道を走ってカナリヤ専門店を訪れた時、

まだカナリヤを飼うかどうか決めていなかったのですが、

農家を改造したようなお店に入ると10畳あまりの店内に色々な種類の

カナリヤのかごを所狭しと並べて、半分は趣味、半分は商売と言った感じの

小父さんが居て、カナリヤについて質問すると延々と教えてくれました。

美しい声で啼くローラーカナリヤ、レモンカナリヤ 巻き毛カナリヤ等など

街のペットショップと違って、質の良い鳥を沢山置いているようにみえました。

又、出直して来るのも面倒なので、来たついでに買って行こうと

言うことになって、おじさんに選んで貰った無覆ムフク(濃い赤色)の雄と

有覆ユウフク(薄いトキ色に霜降り模様)の雌の番い(つがい)を籠に

入れて貰って来ました。

                          《 無覆の雄 》
 

金の籠ではなく、木の庭箱の

方がこれから巣引きをする鳥に

は落ち着いて良いと聞いたの

で、ペットショップで一通りの

必要品を揃えて、ベランダに近

い窓際の静かな部屋をカナリ

ヤを置く部屋にしました。

秋と春、年2回産卵する為、

丁度10月の中旬で時期的

には最適な頃でした。       
       
                              《有覆の雌》
                                  
庭箱に、止まり木や巣、枯れ草などを準備して           

入れておくと、番いがせっせと枯れ草を咥えては巣作りを始めました。 

はこべや市販の餌などを入れて万端整えてやって数日様子を見ていると、

3日目位に、雌が巣に入って座っていましたがまだ落ち着かず、

出たり入ったりを繰り返した後、翌日から本格的に座り始めました。
                               
雌が座っていると、オスが雌に餌を運んで食べさせている姿を
                                                         
良く見ました。また、抱卵に巣に座るのも、時々雄が交代して

座り其の間に雌が餌を食べに巣から出ていました。

カナリヤは、ウズラの卵より一回り小さい卵を毎日1個ずつ産み、

1週間くらいで4個〜5個の卵を産みますが、

生んだ順番に温めて行くと、卵が孵る時まちまちになるので、
                             
一斉に孵すために毎日卵を偽卵と入れ替えて、最後の卵を産み終えたら、
                          
保管して置いた卵を巣に戻して一斉に抱卵させるのです。

最後の卵の目安は、濃い青色の卵を産むので

それを見て、偽卵を回収するのです。
                            
2週間すると、今度は、一斉に雛が孵り始め母鳥の羽の下ですり餌をせがみます。

カナリヤは登録制になっていて、どんなカナリヤでも必ず番号のついた足環を

はめる規定になっています。               
  
雛が孵って10日までにペットショップで買って置いた足環を

はめてやらなければなりません。

これが最初の頃は、大変な作業で、孵った四羽の内一羽は

失敗してしまい、肢を曲げてしまいました。

あまりにも小さく細い足なので、手が震えて力が入り過ぎたのです。

番いは協力して、雛にせっせと餌を与えますが、ある時期が来ると、

オスは雛を邪険に扱うようになり、追いたて始め、

餌をせがんでも与えなくなります。

オスにつつかれて怪我をしないように、其の頃になると、

別の籠を用意して、若鳥だけをそこへ移すようにするのです。 

これが自然のおきてと言うか、自然現象なのでしょうね。

一季節に二回は抱卵するので、成功すると8羽〜10羽の若鳥が誕生します。

友人や知人にプレゼントしたり安く譲ってあげたりして喜ばれました。

肢を傷めた雛は、そのまま手元に置いて、「ピコちゃん」と呼んで元気に過ごしました。