するのに適していますね。撮りためておいたビデオや、積読になっていた本とか、、、。最近では『サッチャー 鉄の女の涙』という映画を観ました(メリル・ストリープ主演、封切では観ていませんでした)。封切で観なかったのは、『涙』という言葉から、なんとなく湿っぽさを想像してしまったからです(泣ける映画は、不得意なので)。僕らはIRA、ヘーゼルタイン、キノック、フォークランド、人頭税といった、サッチャーにまつわる報道にリアルタイムで接してきたわけですが、所詮、そのソースはニュース番組や新聞報道を通してです。この映画で、サッチャーが、フォークランド紛争で戦死した兵士の家族一人一人に手紙を書いていたことを初めて知りました。それからこれは映画には出てきませんが、ある年の夏休み、何をして過ごすか、という質問に「普段読めなかった本を数冊、じっくりと読む」と答えたことがあります。当時のライバル、キノックの「権力の座にいるものほど忙しいものであるが、権力者ほど本を読まなければならない」という忠告に従った、と言われています。忠告に素直に従うのは(それがライバルからのものであれば尚更)難しいことだと思うのですが。「鉄の女」は強いだけでなく、柔軟でもあったのでしょう。
それからもう1本。「マネー・ショート」
この映画を観て「リーマンショックも歴史になりつつあるのだな」と思いました。この作品について「専門知識がなくても(作品中で説明されるので)楽しめる」といった評がありましたが、どうでしょうか。確かに、CDS、フレディマック、ファニーメイ、サブプライムという用語を知らなくても、それなりに楽しめると思いますが、ショートを担ぎ上げられて苦しむトレーダーの描写は、経験した者しかわからないと思います。僕も何度もやられました。ホント、こういう時の苦しさは筆舌に尽くしがたい。ちなみに原題は「ビッグ・ショート」(巨大な空売り)。こんな的確なタイトルがなぜそのまま使われなかったのでしょうか?