4月文楽公演

伽羅先代萩
新版歌祭文
釣女


とっても春らしいデザインの劇場パンフレット。説明書きによると「釣女」の美女の衣装(鴇花紗綾形綸子御所解縫振袖 ときはなさやがたりんずごしょときぬいふりそで)と大名の衣装(薄納戸羽二重市松熨斗目半越 うすなんどはぶたえいちまつのしめはんごし)の柄をあわせたものらしい。
ようやっとのことで最近文楽や歌舞伎をみているのだけど、衣装の柄の組み合わせとかすてきだなとつくづく思う。「新版歌祭文」でも、おみつのグリーンの衣装のかわいらしかったこと。また「釣女」は狂言「釣針」をもとにして作られたということで、能舞台のようなつくりだったのだけど、バックの松と人形のバランスが絶妙で、なんと絵になっているんだ!と感嘆。太郎冠者の柄あわせっぽい衣装もキュートだった。

太郎冠者の衣装

「新版歌祭文」のストーリー(お染久松)は、エノケン笠置シヅ子の映画*1でみたことがあって、まあまさかそれが本物、とかはもちろん思ってなかったけれど、文楽でみると、久松の上品さ、野崎村のお父さんの温厚な雰囲気、そして、桐竹勘十郎さんが動かしていたおみつさんのかわいらしさがすごく伝わって・・・完全におみつさんに感情移入して鑑賞。(エノケン版ではおみつさんはちょっと邪魔者的な雰囲気。)コミカルな大阪弁も楽しくて入り込みやすい。最近、幼い頃の入門当時の写真や、いろいろ人となりを知り始めた吉田蓑助さんのお染も、大病されて今こうして蓑助さんがお人形を動かしておられる、それをみている!という喜びを感じる。住太夫さんの声の良さも実感。(やっとちょっとずつ誰が誰ってわかるようになって(^_^;) 自分的には大進歩)

伽羅先代萩」は言葉が重厚でストーリーも重々しいけれど、若様がまあなんともかわいらしくて。昔からきいていた決め台詞もこれか!と。籠で飼ってる雀の子のところにやってくる親雀の演出や悪ネズミの変化など楽しい。

文楽公演のこの先の案内をみていると、以前からされている文楽鑑賞教室が6月にももあるみたいだけど、上演時間が夜の「社会人のための文楽入門」というのも開催されるらしい。いろいろ工夫しているのだなあ。夏休みの文楽特別公演、サマーレイトショーの「夏祭浪花鑑」、勘三郎さんのをちょっとテレビでみてひきこまれたので興味がある。