君さえいれば 金枝玉葉

超遅ればせながら、先日観た「さらばわが愛、覇王別姫*1以来レスリー・チャンが気になる昨今、こちらも。とってもかわいらしい作品。ただ同性愛の三角関係が自殺の原因と報じられたレスリー・チャン主演だけに、ゲイの話題が、ちょっと微妙な感じで出てくるこの作品、途中勝手に複雑な気持ちになったりもした。(最終的な結論はとてもすてきなものだし、レスリー、そんなヤワじゃないよね、と思うのだけど。)アニタ・ユンの男装がとてもかわいらしい。「リボンの騎士」のチンクのようなとぼけた天使っぽい中性的な魅力。セサミストリートのアーニーとカウント伯爵のパペットを操りながら独り言を言ってるシーンのかわいさ。返還前の香港の、欧米文化が普通にベースにある感じも出ていたり・・またパペットを使って、そのあと、レスリー・チャンと、お互いのもどかしい想いが伝わりそうになるところも繊細でとってもいい。香港の、どたばたした感じと、でもなんかふと純情みたいなこの心地、独特だなあ。アニタ・ユンの幼馴染の男の子との関係もほほえましい。
自分にとっては「月の輝く夜に」でなじみの「That's Amore」*2がよい感じで使われている。

wikipediaによると日本では廃盤になり、DVDが手に入らない状態になっているとか。

狼と豚と人間

スラム街で育った黒木三兄弟。(三國連太郎高倉健北大路欣也)。長男は親を捨て進行ヤクザの幹部、次男はあらゆる悪事に手を染める一匹狼、三男は母親の死を看取ったあと、チンピラの群れに。(ビデオジャケットより)
リアル*1で、フィルムノワールな雰囲気の中、三男をとりまく連中の歌が、いきなりの感じもあるのだけど、これも味*2
ネットに「レザボア・ドッグス」はこれを参考にしているだろうとの意見あり。頷く。タランティーノの映画にも出てきそうな、キツネっぽい役の江原眞二郎に屈折したような妙な魅力を感じてしまう。江原氏、結構まじめっぽいのも見てきたけれど、この映画での姿は深作版の「ジャコ萬と鉄」*3で印象的だった「大阪」を思い出す、なにかこちらの心をくすぐる軟派的な魅力があった。
ヤクザと一匹狼、チンピラという階層の抗争が、好きだった「893愚連隊*4とも似た空気も持ち合わせている。(あちらも京都のゲリラロケ、こちらも渋谷と思われる場所*5のすごい撮影。「893〜」よりずっとこちらのほうがシリアスだが・・)
石橋蓮司氏、この映画でもまた人間の弱さをうまく演じておられる。

狼と豚と人間 [VHS]

狼と豚と人間 [VHS]

*1:twitterこちらの記事描写もすごい・・

*2:こちらのtwitterによると「ウエストサイド物語」からの引用とか・・

*3:http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20150807/1438901481

*4:http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20131105/1383638217

*5:こちら参照