20年後のHELL-SEE。
こんな未来が来るとは恐ろしい(いい意味で)。
今回のツアー、まさか10ヶ所のうち6ヶ所も見る事になるとは思いませんでした。
当初予定していたのは2ヶ所でしたが、初日の東京の仕上がりの良さに驚き、今のシロップは見ておかないと、行けるところは行かないと後悔する、と追加追加で結局ツアーの半分以上に行く事になってしまったのです。
場所によってこんなにも観客やバンドの雰囲気が変わるんだという事も目の当たりにして、つくづくライブは生き物なんだという事も実感しました。
どの場所でもHELL-SEEというアルバムが如何に凄いアルバムなのかを嫌という程思い知らされましたが、音源を完全に再現どころかそれ以上に仕上げてきた今のシロップのバンドとしての状態の良さも見る事が出来た本当に幸せなツアーでした。
syrup16gの皆様、スタッフの皆様、いいライブをありがとうございました。
無事完走できて良かった。本当にお疲れ様でした。
あれから15年。
2007年12月9日はsyrup16gが解散する事を発表した日。
15年前の自分へ。
信じられないかも知れないけど、syrup16gは再始動して、あれから15年後の2022年12月9日、元気にライブをやっているよ。
バンドの状態も良好で、とてもいいライブだった。
もうメンバーみんなすっかりおっさんだけど、五十嵐さんは相変わらず心に響く歌を歌っているよ。
「Les Misé blue」とても良かった。
再始動後のどの音源とも違って、一つ先のステージへ進んだ感じがしました。
軽やかで自由で何よりも好きにやれている感じがして良い。
でもシロップらしさは健在。歌詞もメロディも五十嵐節炸裂で、アレンジもシンプルで美しい。
色々あったけどここまで好きでいられて良かった。
改めて存在してくれてありがとうございます。
delaidbackについて。
あえて曲順も歌詞も見ずに1周目。まず感じたのは、声が何だか違うという事でした。
「光のような」に始まって、「透明な日」も「Star Slave」も、五十嵐さんの声に芯がなくて不安定で、それに物凄く歌いづらそう。
何だか無理をしていて曲に合ってないというか、聴いていてとてつもなく違和感を感じる。
「いつだってぇぇぇ~ぇ~」って…アンタそんな声の張り上げ方するような人じゃなかったでしょ…と、まずここで挫折しそうになりました。
その違和感しかないボーカルを前面に押し出したミックスにも違和感。
生還の5曲はまたちょっと違うところでガッカリな出来栄えでした。
アレンジも歌詞もさほどいじってない事には安心したんだけど、なぜかここでも感じる違和感。
特に残念だったのが「赤いカラス」。正直期待が大き過ぎました。あの曲だけはあれ以上余計な音は入れないでほしかった。控えめではあるけど。
これは生還を見過ぎてしまったのもあるけど、私にとってはやっぱりあのライブでの演奏がベストテイクだったんだろうと思います。
スリーピースだから当たり前だけど、生還での無駄な音が一切ないシンプルなアレンジが良かった。
でも「ヒーローショー」のイントロの生還バージョンにはないアレンジは好きだな。
それにしても、キタダさんのベースはいつも通りさりげなく凄い仕事してるのはわかるんだけど、音源だと中畑さんのドラムの存在感が薄い。ライブの9割引きくらいのディスカウント(わかりづらい)。
シロップは音源化するとミキシングで曲の良さを殺してしまっている事が割と多いような気がするのは私だけでしょうか?
「Mouth To Mouce」の音源の音があまり好きじゃなくて、ライブで「変態」を聴いた時「こんなにカッコいい曲だったのか!」と思ったのはいい思い出。
そんな訳で、来年のツアーに期待しています。
途中、間に挟まれている「夢みたい」で変わる空気感。この不穏なコード感、やっぱり絶品だなあと思っているところにそれまでとは明らかに温度も湿度も違う五十嵐さんの声。
そして最終的には初めて聴く4曲に心を完全に持って行かれました。
アレンジはシンプル極まりないけど足りないとは全く感じない。
特にギターの音色のなんとキラキラしている事でしょうか。
そのキラキラした音の中で、五十嵐さんの声はまさに水を得た魚のように自由に泳いでいました。
演奏と詞とメロディと声、すべてのピースがぴったりはまっている感じがする。
昔はそれをアルバム丸ごとでやってのけていたという事がいかに凄い事だったかを思い知らされました。
昔は良かった、なんて本当は言いたくないんです。今が最高って言いたい。
でも、前半の曲はそれぞれのピースがなんだか上手くはまっていないように感じてしまうんです。あの何とも言いようのない違和感。
今も昔も方法としてはさほど違う事をやっているようには思えないんですが、何かが違う。
それが何なのかよくわからないけど、それを取り戻すのが一番難しい事なのかも知れないし、もしかしたらもう取り戻せないのかも知れない。
そして、私がシロップに求めているのは「夢みたい」や「変拍子」のような重々しさもだけど、まさに「4月のシャイボーイ」とか「光なき窓」のような透明感とあのファンタジックな感じなのかも知れないと今回改めて感じました。
二度と戻れないからこその美しさなんだろうとも思います。
でも今のシロップの音と五十嵐さんの声でここまで再現できた事はまぎれもない事実だし、こんな素敵な音源を出してくれた事に心からの拍手と感謝を送りたいのです。
いつの日か、新しい音源でもこんな風に思える日が来る事を、できるだけ過度な期待はしないように(ここ大事)待ちたいと思います。
そして最後に。
ジャケットが良いと、一層その音源に愛着がわくという事をあのお方(笑)がこれ以上ない形で示してくれた事にも感謝。
三夜と四夜。
syrup16gのCOPYリリース16周年ツアーの広島と大阪公演へ。
遠征なんて何年ぶりだろう。
最後に行った6/1の新木場の印象があまり良くなかったのと、音楽自体に興味がなくなってきてる事もあって、正直あまり乗り気ではなかった。
もともと大阪も行く予定はなかった。
そして結論から言うと、行って本当に良かった。
2ヶ所通して感じたのは、五十嵐さんは今こうしてライブができている事が心底嬉しいんだろうという事だった。
今回特に良かったのが全体の流れ。
ゆったりとした曲はちゃんと聴かせて、アッパーな曲はタイトにまとまっていて、セットリストも含めてこれがなかなか絶妙でメリハリがあって、見ていて途中でダレるという事がなかった。
ここら辺におっさんバンド(笑)の余裕を感じた。
広島は音響があまり良くなくてもったいないところもあったけど、大阪はとても良かった。
そして、COPYの曲を今の五十嵐さんが歌ったらどうなるのかという不安が正直あったんだけど、それは杞憂だった。
とにかく、五十嵐さんの歌がとても良くなっていた。ちょっとびっくりした。
いろんな事を乗り越えてきたゆえの、この人にしか出せない声。
涙腺に来る瞬間が何度かあった。
本当に色々あったけど、これからも色々あるかもしれないけど、シロップは本当に良いバンドになったな。
それが実感できた事が何より嬉しかった。
五十嵐さんは大阪で「最高のリズム隊に拍手を」と言っていた。
この一言が全てだと思う。
16周年。
下北沢Club Queでsyrup16g を初めて見たのが2000年12月12日。
ちょっと!16年前ですってよ、奥さん!
2016年に結成20周年(正式なアナウンスがないけど)で、おまけに私にとっては記念すべき16周年。(ややこしい)
まさかこんなに長い付き合いになるとは思わなかった。
そしてツアーファイナルの東京2days、とても良かった。
3人の演奏がバキッとタイトにまとまっていて、純粋にカッコいいロックバンドになっていた。
やっぱりこれはギターボーカル担当の人(笑)の変化が大きかったように思う。
シロップがシロップの曲を目の前で演奏しているのを見られるという事がどれだけ幸せな事なのか、それを改めて感じた2日間だった。
ただただありがとうという気持ちで一杯だった。
記念すべき自分的16周年を最高の形で締めくくれた事が本当に嬉しい。
8年前の自分に教えてあげたい。
これからも気長に適度にマイペースでよろしくお願いします。
この場ですみませんが…15日のチケットを譲ってくださった方、本当にありがとうございました!