虫の声が食欲をそそる?

 秋の気配である。朝晩、涼しくてしのぎやすい。夏を迎える前は、猛暑の連続攻撃を覚悟していたのだが、思いのほか攻撃が淡泊で助かった。
 もっとも、雨の降り方はヒステリックで、広島で被害に遭われた方たちはほんとうに気の毒である。豪雨に襲われると、今度は我が身か、とつい身構えるようになってしまった。
 最近はアブラゼミに混じって、ツクツクボウシの鳴き声がよく聞こえるようになってきた。アブラゼミが去ると夏も終わりである。
 世界では今、昆虫を食料として利用する計画がいろいろな機関から打ち出されている。
 そう、アブラゼミも大切な食料となる日も近い。一説によればエビ風味らしい。もちろん羽根をむしって料理するらしいけれど。
 虫は高タンパク、高脂肪、健康的で栄養価は高い。たとえばコオロギは、ウシやブタ、サケなどの動物の肉とくらべてもまったく遜色がない。
 どころか、環境コストが低く、食べたものが効率よく体重に転化するのである。しかも可食部の割合が高いので、経済的で環境にやさしいといえる。
 食用に適しているのは、甲虫、イモムシ、アリ・ハチ類、コオロギ・バッタ類とつづき、種類でいえば約2,000種にものぼるらしい。
 うちのせまい庭には今、コオロギやバッタが跳びはね、木には蝉がへばりついているが、おいしそうとはとても思えない。
 まあ、問題は食料として人間が受け入れるかどうか、というところである。拒否反応を示す人が少なくないだろう。原形がわかると食欲も失せてしまう。
 ならば粉末とかペーストに加工するという手もあるが、原材料がわかればやはり萎えてしまう。
 日本は人口減少期に入ったが、世界の人口は途上国を中心に急カーブで上昇している。いずれにしろ食料争奪戦はとっくに始まっているのである。肉食が増えれば、さらに拍車がかかる。
 虫をムシしたり、虫ずが走る、なんていってられない時代が来るかもしれない。(;_;)
(photo:う〜ん、こいつを食べる?)