『東京の街が奏でる 小沢健二コンサート』@東京オペラシティ

東京オペラシティで12夜にわたって開催されている
小沢健二のコンサート
『東京の街が奏でる 小沢健二コンサート 二〇一二年三月四日』
の第三夜(2012年3月25日)に行って来た。



開演時間の18:30を5分ほど過ぎた頃、客電が落ちる。
“うわぁっ!”と興奮で沸く会場。
暗い中、ステージ袖から一人の男が出てくるのがわかる。


誰しもが 「オザケンだ!」 と思い、ありったけの拍手を送る。


男は手回しオルゴールの音を奏でる。


このメロディはアルバム『LIFE』の最後に収録されている
『いちょう並木のセレナーデ(reprise)』だ。


高まる期待。客席のそわそわした雰囲気。


照明がついた。







そこにいた男は東京スカパラダイスオーケストラGAMO(テナー&ソプラノサックス担当)だった。







客席 「えっ」


GAMO 「みなさん、こんばんは;;」




・・・毎回、オープニングにはオザケンゆかりのミュージシャンを呼んで、
オルゴールを回してもらい、挨拶をしてもらう形式らしい。

GAMOさんは本日のコンサートに関するちょっとした説明などをしてくれて、
再度オルゴールを回した。
オルゴールを回し終えて、ステージ袖に帰って行く。


再び客電が消えた。


暗いステージ袖から華奢な体つきの男が出てきた。


小沢健二が登場した!


割れんばかりの拍手と声援に、
はにかんだ笑顔でおじぎをひとつしてプロローグを朗読。


※空覚えですが・・・

“音楽は生きるために必要ではない”
“音楽は遊び”
“音楽はムダ、そして贅沢である”
“音楽は楽しむものである”
“なので今日は楽しんでいってください”

と語っていたのが印象的でした。


◎バンド構成
ボーカル&ギター:小沢健二
コーラス:真城めぐみ
ベース:中村キタロー
弦楽四重奏


以下、セットリストに沿って感想などちょこちょこ。
(朗読やMCのタイミングはかなり空覚えなのでアテになりません)


『東京の街が奏でる(新曲)』
オザケンの新曲といえば、
『いちごが染まる』と『シッカショ節』の印象が強かったので、
十数年前のオザケンが作っていたようなテイストの曲で少し驚き。
また聴きたい曲。


『さよならなんて云えないよ』


『ドアをノックするのは誰だ?』


◎挨拶
「今日は遠くから旅してきてくれた方」というステージからの問いに
なんと客席のおよそ半分の人が挙手!
「今日は日曜だから遠くから来てくれる人も多いだろうとは思ってたけど・・」
オザケンが想像していたよりも多かったみたいです。

「次の曲は一緒に歌ってください」


『いちょう並木のセレナーデ』


「次の曲もわかる方は一緒に歌ってください」
と言うのでどんなマイナーな曲を引っ張り出してくるのかと思いきや


今夜はブギーバック→あの大きな心』
ま・さ・かの!オザケンがラップ部分も担当。
「オレスチャアニ」の部分までも言っていてどよめく客席。


◎現在、渋谷パルコで開催されている展覧会の話
(展覧会では本人の語りによる様々な旅のエピソードが聞けるらしい)
「1語1語聞き取っていると2時間くらいかかってしまうし、
全部聞きとろうとしなくてもよくて、
なんとなく旅の空気などを感じ取ってくれればいいなぁと思う」


『あらし』


『いちごが染まる』


『それはちょっと』
元々は歌詞もアレンジも可愛らしい曲ですが、
今回は弦楽四重奏が入っているので穏やかで壮大なアレンジでまた違った印象でした。
最後のサビ部分(♪いつかひょっとしたらって思うよ〜)を3回くらい繰り返し、
客にも歌わせる。


◎朗読


天使たちのシーン
CDとは少し違う歌いまわし


『おやすみなさい、仔猫ちゃん!』
「Where do we go? Where do we go,hey now?」はひふみよツアー時と同じく
「どこ行こう どこ行こう 今」と歌われていました。


「次の曲、ライブで演奏するのは初めてかも」


『夜と日時計
※第一夜と第二夜は『back to back』だったそうで、
私は『back to back』が異様に好きなのでハンカチを噛む思い。


◎朗読
“大人になるとわかること”という題の朗読
昔小沢家で買っていたボタンインコの話。

おはよう、健ちゃん、じゅんちゃん(お兄さんの名前だそう)、宿題やった?

とインコの物まねをしながら朗読するオザケンであったが、
「今回(のコンサートの中で)、この部分が一番難しい(笑)」
と手で顔をおおう。



『東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディー・ブロー』
最後のサビ(♪そして僕と君がいつか齢をとってからも〜)を4回くらい繰り返す。
“行きましょなんつってオペラシティへ”
という替え歌のサービスもあり。


『ぼくらが旅に出る理由』


『強い気持ち・強い愛』


『春にして君を想う』


◎今回のコンサートグッズにスカーフがあるのですが、


※あ、このTシャツも着用してました。

スカーフを巻きなおすオザケン
中村キタローさんに「フー!」と冷やかされ、
客に拍手され、ニヤっと上目遣いでキタローさんを見る。

インド映画の“輪廻オチ”についての朗読
客席爆笑。


『暗闇から手を伸ばせ』
この日は『天気読み』かこの曲を聴きたい気分だったので、よかった。


『愛し愛されて生きるのさ』
ひふみよツアーの時にはカットされていたセリフあり!!!
最後まで歌いきったかと思いきや、
「今日、旅してきてくれた人へ」と言い、
セリフ部分〜曲のラストまで再度聴かせてくれた。


『ラブリー』
ひふみよツアー時から引き続き、
「Can't you see the way? It's A」は
「完璧な絵に似た」と歌っていました。


『ある光』

“僕の心は震え 熱情がはねっかえる
神様はいると思った
僕のアーバン・ブルーズへの貢献”

泣けた。


◎MC
「今回のコンサートのチケット代は9000円にもなってしまったが、
予算をかけて作りたかった」

「曲もすべてニューアレンジ
弦楽四重奏のアレンジは服部隆之さんにお願いしました」

「BOXも15000円になっちゃって“ウゲー”って感じかもしれないけど
長く楽しんでもらえるものが出来たと思う」


『神秘的(新曲)』
まぼろし それはイスラム教の歌のように〜」
まぼろし それはキリスト教の歌のように〜」
と歌っていました・・・


『ドアをノックするのは誰だ?』 with GAMO
GAMOさんに再度登場していただき、一緒に演奏。


『東京の街が奏でる』
オザケンのみで弾き語り。
ワンコーラス歌って挨拶をしステージから去っていった。


鳴り止まないアンコールの拍手があり、
5分後くらいにバンドメンバー全員登場。
再度、メンバー紹介を行い、挨拶のみ。
曲演奏はなし。


以上。



twitterのほうにも書きましたが、
「盛り上がった」
「楽しかった」
「感動した」
という感想とはちょっと違う、
心がじんわり満たされる素晴らしいコンサートでした。

また、歌唱については声に深みがかなり増していて、
だけど"オザケン節"は健在でした。
時には唾を散らしながら熱く歌ってくれました。